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ページ39

『はい。おしまい!』




『キモチよかったー!ウヨンくん、ありがとう』




ヌナが鏡越しに俺を見て笑う





『美容師さんのキモチがほんのちょっとだけわかって楽しかった!』




『そっか、ふふ。喜んでもらえたなら、よかった!

私も、キモチよかったし。


さぁ、じゃあもう遅いし帰ろう?』




ヌナが立ち上がる




足を踏み出した時に、少し残ってた髪に足を滑らしたヌナ




『あ、』




『おっと!』



俺がヌナの腕を引いて、なんとか転ぶのを阻止した





俺の左手は、ヌナの腕を掴んで



右手はヌナの腰




ヌナの手は、俺の肩に掴まってた




顔をあげたヌナの顔が、至近距離にあって




心臓が大きく、鳴った




『…………』




その瞬間に




【連れ去って、もらおうかな?】って、


さっきのヌナの言葉が頭の中を駆け抜けた






『……ウ、ウヨンくん?』





ヌナの戸惑った声が耳元で聞こえて





……初めて、俺は彼女を抱きしめていることに気がついた




『……ウヨンくん、離して?』





『……んー、嫌かもしれない。』




ぎゅっと腕に力を込めると




ヌナの感触が、温もりが、身体中に広がった





『………』




ヌナが、俺の腕の中で固まってる




『……ヌナは』




『え?』





『本当は、連れ去って欲しいと思ってるの?』





『…………』





『……それは、どうして?』




『…………』





『……ヌナ……ひょっとして…………彼が、浮気してるって、知ってるんじゃないの?』




ビクッと彼女のカラダが反応した




………やっぱり…





『……いつ、気づいたの?』




俺が聞くと




『………ウヨンくんは、知って、るの?』





………確信が、あるって訳じゃないのか……





『……俺は……』





ヌナのカラダを離して、ヌナの顔を見ると




泣きそうな顔をしてた





『…………』




その顔を見たら、




一瞬、話すことを躊躇った……




けど



大きく息を吐き出してから





『………ヌナの、彼が……別の女と手を繋いで歩いてるとこ、見たから』





『………そ、っか。』





『………ヌナは?』





『……私は……

なんとなく、彼の態度とか……おかしいなって……』




話ながら、頬を伝った涙を





ヌナが俺から隠すように顔を背けて、指輪の光る右手で顔を拭ってから





俺の顔を見て




『……結婚前に浮気されて、カッコ悪いね、私』





って、困ったように笑った

ー→←ー



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hana(プロフ) - 麻樹子さん» いつもありがとうございます!いつもなんだかんだハッピーエンドしか書いてこなかった私としては初めての切ない終わりでした😢良かったと言ってもらえて、よかったです! (2022年3月31日 7時) (レス) id: 9169b54294 (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 切ない…けど良かったです (2022年3月31日 7時) (レス) @page48 id: 680a9bd736 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hana | 作成日時:2022年2月25日 8時

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