My House【短編集】

ー ページ35

『ウヨンくんに、しようかなー』




明るいヌナの声が時を進めた





『…………』





黙った俺を




ん？って顔で見る





『はぁ。』




息を吐き出して





『俺、ペットにも適してるかもよー』




明るく笑う




『あはは！可愛がりたくなるもんね』





『ワンワン！』





『あはははっ！』




楽しそうに笑うヌナの顔を見て




………困らせるのも、なんか違うか。




って、そんな風に思った。





………………







『ねぇ、ヌナ？』





『なに？』





『彼の、どんなとこが好きで結婚するの？』





『えー、なに、突然』




ヌナの手料理を食べながら、そんな質問をしてみる




『いいじゃん。結婚って、一生に一度の大きな決断じゃん。

決め手はなんなのかなと思って。

参考までに？』





『んー……私たち、付き合って6年目に入るんだけど

これだけ長い時間一緒にいても、飽きない相手って、そんなにいないじゃない？』





『飽きない相手だから、結婚するの？』





『……これだけ、長く居ても……

いまだに、ドキドキするときが、あるから。』





………ドキドキするとき……





『ときめくって…言うのかな？』





…………ときめく……





『…………そっ、か。』






ヌナは……本当に……彼のことが好きなんだな……






右手の薬指に光るダイヤの指輪は





俺には、ものすごく





眩しくて……





目をそらしたくなった。

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