R.O.S.E (ページ27)

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競い合える相手ページ27

「…そっか…」

「……私は、あなたのことも、認めてる…

んー、認めてる……っていうのは、なんか違うか…

…信じてる……

だから、西野社長の、ところの営業を頼んだの」

「……」

「……社長は、少し気難しいところもある人だけど、本当にいろんなことを教えてくれるの…」

「…あなたには、ドンドン上に上がってきてほしいの。
上に立つには、工場で働く人たちの気持ちも知ってもらわないといけないし……

あなたは、責任感もあるし、人を見抜く力もある、

それに、人の気持ちの分かる人でしょう？」

「……社長…」

「……空回りしちゃったのね、菊地くん。」

「………」

「…今日ね、社長に会ってきた。

社長、あなたのこと、好きだって。

やる気もあるし、

なにより、いつも工場の方たちに笑顔で声を掛けてくれるって…それが、一番うれしいって言ってた」

「…やる気が空回りしてしまっただけなのも、社長、分かってくれてたよ？

それは、あなたが西野社長と信頼関係を築いてきたからでしょ？」

「…明日、私と一緒に謝りにいきましょ？
それで、もう一度…担当をしてくれない？」

「西野社長も、それを望んでくれたから…」

「……社長……」

菊地くんの目に涙が浮かんでくる

「…菊地くんは、真面目過ぎちゃうね。私と一緒」

「息抜き、ちゃんとしてる？」

「……たまには、仕事を忘れないとね。お互いに。」

私は笑い掛ける

「…社長、ありがとうございます。本当に申し訳ありませんでした」

頭を下げる

私は彼の肩をポンポンと叩いて会議室を出る

……佐々木さんと、ライバルか…

競い合える相手がいるのは、いいことだ。