彼のペース ページ16
「今は、ウヨンに癒されてるから…」
「ふふん、やっぱ、俺必要でしょ？」
「……まぁ、ね」
「……ずっと、いてあげてもいいよ？」
「…え？」
「……Aの、そばに？」
………
「……どうゆう意味で言ってるの？」
「…ん？……んー…どうゆう意味がいい？」
……かわいい顔して、小悪魔め
「……なんでもいいや、ウヨンが、そこにいれば…」
「………」
「…そろそろ帰る」
ソファーから立ち上がる
もうとっくに日付を跨いでしまっている…
「……送ってく」
「いーよ、タクシーに乗るから」
「…車出す」
「……ウヨンは早く寝て？」
玄関に起きっぱなしだった、私の鞄を持って
ウヨンは自分のリュックを背負う
「ほら、いくよ」
玄関で靴を履く
「…もー、いいのに…」
「早く、早く！」
私の腕を引っ張ってサンダルを履かせる
結局ウヨンにホテルまで送ってもらう…
車を地下の駐車場に停めて、なぜか部屋まで付いてくる
「ねぇ、もういいよ？部屋まで来る気？」
「…佐々木さんももう寝てるでしょ？」
「……部屋まで来る気ってことね」
部屋に着くと、ウヨンが洗面台に歯を磨きにいく
「……まさか、ここに泊まる気？」
「Aも…ほら」
私も歯ブラシを口に押し込まれる
「……シャカシャカ」
歯を磨き、ウヨンが当たり前のように部屋を暗くしてベッドに入る
「……泊まる気なのね？」
「…おいでー」
「……もうシないからね」
「…もうシないよ、眠いし」
ウヨンの横に入る
「おやすみー」
「ん、おやすみ」
……結局いつも、ウヨンのペース…
…でも、巻き込まれるの…キライじゃない
ウヨンに寄り添って目を閉じる
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作者名：hana | 作成日時：2018年7月7日 17時
