R.O.S.E (ページ1)

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かわいい男ページ1

『……ヌナー？』

『……ん…』

チュッ

『…起きてー？ヌナー？』

『……もうちょっと、寝かせて？』

『……んー、もう一回、シよー？』

……

『……いいよ？』

『……ヌナ…』

……私は、この、名前も知らない男の子と

１ヶ月に一回は、こうして会っている…

そして、……肌を重ね合わせてる…

……彼と出会ったのは、1年前くらいで、私が息抜きに、よく通ってたクラブでだった

その日も、仕事で疲れきっていた私は

気分を上げたくて…仕事を忘れたくて…クラブで音楽とお酒に酔いしれてた…

基本的にいつも一人で行ってたから、

男が寄ってきた…

毎回適当な男と、夜を過ごしていたんだけど

今日は、全然そんな気分じゃなくて……

「ねー、おねえさーん！一人なんでしょ？…おれと抜けようよ」

「……」

肩に腕を回して、耳元でずーっと誘ってくる…

「無視しないでよー」

「……」

…ウザイ。

今日は、そんな気分じゃないし、そもそもこんな男は気分だったとしてもイヤだ

「なぁ！無視すんなよ！」

「……」

あー、鬱陶しい…

こうゆう空気の読めないやつが一番キライ

「いい気になってんじゃねーよ！気取りやがって！」

腕を引っ張られる

「痛っ」

ブチっと私の中で何かがキレる

「…ちょっと！！…！？」

「ストップストップー！」

「ごめんねー、お兄さん。この人おれのツレだから」

「……」

「はいはい、お待たせ。もう行くよー」

突然現れた男が

私の手を握って人混みを掻き分けていく

人気のない場所まで連れてくると

くるっと振り向いて

「お姉さん、男なめてたらダメだよ。殴られたりでもしたらどうするの？」

…かわいい顔した男が、かわいい顔で叱ってくる

「あー…、だって、」

「だって、じゃないのー、まったく」

唇を尖らして怒ってる

「…………」

「…なに？」

「……ねぇ、」

「…ん？」

「……ちょっと、抜けない？」

「え？」

「……そんな気分じゃ、ない？」

……このかわいい顔をした男に、興味が湧いた

私は彼の唇にキスをする

「………いいよ？…抜ける？」

かわいい顔の男がニヤッて笑う