動かされる ページ42
その日の夜…
…あー、韓国には大分なれたけど…
やっぱ研修で韓国語を使うのは、頭が痛くなる……
早く帰ってお風呂入って寝よ……
家に入って荷物を置く…
お風呂の準備をして、ベッドに横になる…
あー…なんか頭がフワフワするー…
このまま寝そう……
…ん？
ベッド脇のテーブルの上に、
ゴツ目の腕時計が置いてある…
…あれ？これ、テクのじゃ……
…ピンポーン
インターホンを見ると
帽子を深めに被ってマスクの男が写ってた
『ん？……はい』
マスクを取って笑う
『…おれ』
『…テク』
『…おれの時計なかった？』
『あー、ある！ちょっと待って、今開ける』
エントランスの自動ドアを開ける
少しすると…
部屋のチャイムが鳴る
ピンポーン
『はいはーい』
ガチャ
『おう！家にいてよかった！早く終わったからそのまま来てみた』
『ちょうど帰ってきて、コレ見つけたとこ』
腕時計を見せる
『あー！サンキュー』
時計を渡すときに、少しだけ手が触れる…
【一回抱かれてみたら？】
ドキッ
急にゆうこさんの言葉が頭によぎる…
途端に顔が赤くなる…
『ん？なに赤くなってんだよ？』
『え？！な、なんにもないし！』
テクが 私の顔を覗き込む
キレイな瞳が目の前に迫る…
カァーッと顔が赤くなるのが自分でもわかる…
『……なんて、顔してんだよ…』
テクが私の頭をポンと叩く
……【真面目すぎるのよ】……
…また、ゆうこさんの言葉が頭をよぎる…
……テクの…目を見つめる…
ドクンドクンと鼓動が鳴り響く
…なんか…カラダが熱い……
私、そうゆうモードに入っちゃってるの？
……我ながら単純……
突然テクが、私をくるんと回転させて背中を押す
『…え？……テク？』
『……お前…俺をどうしたいの？』
『え？』
『そんな顔で…そんな目で…おれを見るなよ…ぶっ飛ぶ……』
ドクン
『………ぶっ飛んでも……いいよ？』
……私、ほんとに単純過ぎる…
ゆうこさんの言葉に……こんなに動かされるなんて……
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作者名：hana | 作成日時：2018年6月20日 17時
