君に来世はない (ページ34)

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過保護をさらに加速させたジョンインくんに手を引かれ、礼拝堂を背にして帰路に着く。

｢Aに似たらいいのにな、男の子でも女の子でも可愛いよ、絶対｣

｢ジョンイナに似た方が良いけどなぁ私は｣

ゆっくりと歩く私の歩幅に合わせてくれるジョンインくんの横顔を盗み見る。夕日に照らされて綺麗な黒髪はつやつやとひかり、にこにことあがる口角の先にえくぼが見える。ぷっくりとした涙袋がある大きな目はきゅっと優しくつり上がっていて、高い鼻筋の先は愛おしく丸まっていて。産まれてくる子がこの人に似たら良いのにと何度思ったことだろうか。

私の視線に感じたのか、ジョンインくんがこちらを向いてぱちぱちと瞬きをする。
それすらも可愛くて、愛おしくて堪らなくなる。

｢なにかついてる？｣

｢ううん。ジョンイナ、愛してるよって伝えようと思って｣

｢ふふ、僕もAのこと愛してるよ｣

1度ジョンインくんと来世について話をしたことがある。

彼は来世でも私とずっと共に居たいしこうして結ばれたいな、と呟いていたがきっと私は来世で生まれ変わることは無いのだろう。これ程の罪を犯してしまったのだ、私に来世があるはずがない。
その分、私は今世でジョンインから貰う愛を存分に受け止め彼の願う通り私の一生を彼に捧げよう。