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Lust ページ28

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その後、ジョンインくんとお義母さんとともにおじさんの処理を終え夜も遅いということでジョンインくんは家に泊まることになった。

正直な話、おじさんの事は後悔はしていない。きっとこのまま過ごしていればいつかは同じことが起きてきたと思うからその時期が早くなっただけなのだ。おじさんには勿論感謝はしていたけれど、信用を失い絶望するには十分だった。
これで良かったのだとは思わない。私が全て起こした事なのだから、ジョンインくんとお義母さんを巻き込むべきでは無かった。

あの時ジョンインくんのインターホンに出ていなければ…いやもっと前から、私がジョンインくんと関わらなければこんなことは起こらなかったのでは無いか。私が、彼と仲良くなって、彼に恋心を抱かなければ、彼が好きだという愛しているという感情を持たなければ。


客室で寝ているジョンインと自室で寝ているお義母さんを起こさないようにそっと部屋を出てリビングに向かう。さっきまでこの部屋で暴れていたのが嘘みたいに片付いていて、まるでおじさんの事は鼻から無かったかのように感じてしまう。

たぶん…いや、きっと私はここにいるべきではない。お義母さんの事は申し訳ないがジョンインくんに任せて私は消えよう。彼の近くにいる資格を持っているのは私ではないし、あの事を聞いたのだからきっと彼も私に愛想を尽かしたに違いない。
極力彼らを起こさないように歩いて玄関に向かう。どうやら天気は悪いらしく雨が降りゴロゴロと雷が鳴っていた。今の私にぴったりの天気ね、なんて思いながら玄関の思い扉を開けようと取っ手に手をかける。


「何処に行くの」

「っ!?ジョンインくん、起きて…!?」

「…この街から、お義母さんから……僕から逃げようとしてるのなら許さないよ」

「逃げるわけじゃないの、逃げるわけじゃ…」

「じゃあ何?僕の前から消えようとしてるってこと?それなら尚更許さないんだけど」


普段温厚な彼からは考えられないくらい冷たくて淡々とした声でそう言われ、思わずごくり、と唾を飲む。

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作者名:おむすび | 作成日時:2023年7月23日 22時

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