君に来世はない (ページ27)

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最初に口を開けたのは意外にもジョンインくんだった。｢僕たちの秘密にしよう｣、そう言った彼に思わずお義母さんと顔を合わせてしまう。彼いわく、おじさんはどうやらこの街では嫌われ者だったらしくおじさんが消えて悲しむ人間はここにはいないため、突如事故で死んだと言っても喜ぶ人の方が多いはずだ、と。

｢っでも、トロフィー、とか…遺体とか｣

｢大丈夫。トロフィーは僕が所有する土地の下に隠しておけば良いし遺体は上手く僕が事故のようにみせかけるから｣

｢……ジョンインくんは、罪を背負う覚悟があるのね｣

お義母さんがジョンインくんにそう問いかけると、光のない瞳が瞬きをして頷いた。

嗚呼、私はなんてことをしてしまったのだろうか。罪のないお義母さんを、ジョンインくんを、巻き込んでしまった。
何故かすぐに冷静になってこのあとどうするかを話す2人に入っていけず、ジョンインくんがずっと握ってくれている自分の右手を眺める。

──ああ、なんて汚いんだろうか。やっぱり私はジョンインくんの近くに居るべき人間ではない。