Wrath ページ20
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あの懺悔室の日から私はジョンインくんに心を開くようになった。他人に自分の罪を告白して心が軽くなって、彼と毎日一緒に過ごすようになったし義母の体調も少しマシになってきて1週間に一日は一緒に外に散歩出来るようにまでなった。別に私は本格的なキリスト教徒でも無いけれど、神様はいるのかも、なんて思えるようになったのはジョンインくんとずっと共に過ごしているからだろうか。
｢今日は放課後Aちゃんと遊びたいってあの子たちが言ってたから夕方行こっか。あの子たち、Aちゃんに懐きすぎてて僕ちょっと寂しいかも｣
｢うん。…あ、ごめん…でも多分、あの子たちからしたらジョンインくんの方が信頼出来る大人だと思ってるだろうし…私の方が新参者だし｣
下唇を突き出し目尻を少し下げてしょんぼりした顔でこちらを見てくるジョンインくんに慌てて言葉を紡ぐと、彼は一瞬キョトンとした顔をしてすぐに目を細め大きな口を開けて笑った。なにか変なこと言ったかな？と首を傾げると何故かツボにハマったらしいジョンインくんの引き笑いが大きくなる。
仲良くなって気付いたことだが、ジョンインくんは案外ゲラの引き笑いをするタイプの人間らしい。
｢っはぁ、笑った。…違うよ、僕が言いたかったのはあの子たちにAちゃんを取られた気分になって寂しかったってこと。僕の方がAちゃんと先に仲良くなったのに、Aちゃんあの子たちと会うと僕のこと放置するんだもん｣
｢ぁ、そっち…！｣
僕のことも構ってくれないと、なんて聞く人によれば口説き文句にも聞こえるようなことをさらっと口に出すジョンインくんに慌ててしまい耳が赤くなっていくのがわかる。
ちゃんとした恋愛経験なんてない私にはその言葉すらも凄くドキドキして恥ずかしくて。彼にその気は無いと分かっていてもどうにも意識してしまう自分が嫌で仕方がない。
邪念を振り払うように頭を横に振って、からかわないでよもう、とジョンインくんに伝えると、本気なんだけどなぁなんてまたからかってくるので聞こえないふりをしておく。
その日、約束通り子供たちと一緒に放課後遊んだ。いつもなら17時にはみんな家に帰るのだが、一人の子が親が帰ってくるのが少し遅いらしく一緒に教会で彼女の両親が帰ってくるまで待っていた。
｢Aおねえさんって、ジョンインせんせーの彼女なの？｣
｢んん！？｣
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作者名：おむすび | 作成日時：2023年7月23日 22時
