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｢人の体温って安心するって言うから…緊張してるのかなって思って。Aちゃんの事だから手とか繋がれるのは嫌かなって｣
｢…びっくりしちゃった、ありがとう。服越しだけど、ジョンインくんって暖かいね｣
｢ヒョン達には赤ちゃんだってよくからかわれるんだけどね。あ、丁度いまから休憩時間みたい｣
そう言って彼が見ている先に目をやると、小さい子どもたちが走ってこちらに向かってくる。この保育園には全園児含めても15人も居ないようで、あっという間に全員に囲まれる。｢せんせー！｣｢このまえのおねえさん！｣などとあちらこちらから聞こえてくる子どもの声にあたふたしていると、ジョンイン神父様は自身の足にくっついていた男の子をひょいっと抱き上げてみんなをなだめる。
｢こら、そんなに一気に話しかけたら困っちゃうから。Aちゃん、｣
｢ぁ、えっと…はじめまして、Aっていいます。少し前に引っ越してきたの。皆からのプレゼント、とっても嬉しかったありがとう｣
彼らの目線に合わせるようにしゃがんでそう伝えるとビー玉のような目をキラキラさせて私を見つめてくる子どもたちに頬が緩む。園内から保育士さんと思われる女性が駆け寄ってきてぺこりとお辞儀をしてくれる。そういえば、あの保育士さん街を案内してもらった時に軽く挨拶をした気がする。
｢みんな、ヤン先生とAさんに迷惑かけないようにするのよ！｣
｢先生…？｣
はぁーいと間延びした子どもたちの声を聞きながら先生、という言葉にひっかかる。神父様のことを先生とも呼ぶのか、勉強になったななんて思っていると恥ずかしそうに笑うジョンイン神父様に肩をつんつんとされたので彼の方をむく。
｢実は保育士資格持ってるんだ。だから、一応先生｣
｢そうなの！？凄い…なんでもできちゃうんだね｣
｢Aちゃんが知ってる通り料理はできないけどね｣
神父をしながらも保育士として子どもたちの面倒を見ているという彼に頭が上がらない。
感心していると、私の服の裾がくいくいっと引っ張る感覚がして下を向くと髪をおさげにした女の子がこちらを見つめていた。どうしたの？と再びしゃがみこんで目線を合わせてやると照れたよう俯くのでどうしたものかと困惑する。
｢Aちゃんと遊びたいんだよね。おままごと？｣
｢ぅん…｣
｢そっか、お姉さんと遊ぼう！｣
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作者名：おむすび | 作成日時：2023年7月23日 22時
