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はぁ、と呼吸の音だけが部屋に響く。
自室に戻った彼女は部屋の中へ進む気力もなく、扉に背をもたせ掛け、ただ荒い呼吸を繰り返していた。
あれから頭の中で繰り返されるのは、千年も前の出来事。なのに、欠片も色褪せることのない出来事。
都を出る時に別れた一人の兄。死んだのか離反したのか、次々と数の減っていくこちらの軍勢。視界の端で捉えた「奴」の顔。私の主を、私の大切な全てを、私の生きる場所を奪った、奴の顔。
──すなわち、今見たばかりの顔。
忘れた──いや、封じ込めたつもりだった。全て思い出へと昇華したはずだった。
かつての仇が現れた時、冷静に、会わぬようにひっそりと過ごす算段も、頭の中で何度も繰り返してきた。
「ただ、現実と理想は、こうも違うのだな」
はあ、とため息をつき、天井を仰ぐ。そうしてみた所で、心が落ち着く気配はない。
憎い。ただ憎い。千年の時を超え、いつかの種火が再燃してしまった。
ふと視線を下げる。──目に入ったのは、私の鎧。萌黄縅の。主が、「戦場て目立つように」と私にくれた。
何とはなく、しかし何かに引き寄せられたように、ふらふらと私の体が鎧の方へ向かう。
馬鹿らしいと自分でも感じるが、何か感じたのだ。そう、例えば、そこに「彼」がいるような。
「なあ、教えてくれ。私は何をしたらいい？」
誰もいない。そんなことは私が一番知っている。──なのに、勝手に口が動いた。
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紫清(プロフ) - 嵩画さん» そう言って頂けて光栄です…！ ぜひぜひ出させて貰います、ありがとうございます！ (2018年9月13日 19時) (
レス) id: 1235647e15 (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - 顕現秘話もあずまにっきも、続きがとても気になります…！自分のキャラ達もご自由にお使いください。 (2018年9月13日 18時) (レス) id: 6a1c423345 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - 月希 ﾟさん» ありがとうございます…！ 是非是非書かせて頂きます！ (2018年9月9日 22時) (レス) id: 1235647e15 (このIDを非表示/違反報告)
月希 ﾟ(プロフ) - コメント失礼します…！使いにくいかもしれませんが良かったら太宰治さん使ってあげてください...！書いて頂けましたらめちゃめちゃ喜びます！！w (2018年9月9日 21時) (レス) id: 5afb36aa93 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - 蘭秀さん» ありがとうございます！ こちらこそ蘭さんのキャラを書かせてもらえるなんて恐縮です…！ 頑張らせて頂きます！ (2018年9月7日 20時) (レス) id: 1235647e15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫清 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月4日 21時
