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過去:
オレさぁ、父ちゃんと母ちゃんの顔知らねえんだ。
なんかよくわかんねーけど、オレの父ちゃんと母ちゃんは、おっちゃん曰く「この世界では悪いとされていること」をしちまったらしい。みんなには秘密らしいけど。そんで育ててくれたのがおっちゃんなんだ。おっちゃんってずっと呼んでたし、父ちゃんとか母ちゃんなんて言葉知らなかったから、きょーいくじょー？ に行ってから「お父さん」「お母さん」って言葉聞いて、へーって思ったな。ま、オレにとっての家族はおっちゃんだからいっか！
おっちゃんは働いててさ、毎朝オレのご飯作ったあと、白い服着て仕事に行ってたんだ。かっけーって思ってたから、たまにこっそりおっちゃんの服勝手に着たし、大人になったらおっちゃんみたいになりたいって思ってた。
あ、そんできょーいくじょーは楽しかったぞ。友達いっぱいできた。勉強は嫌だったけど。勉強すればするほど「何で？」が出てくるのに、先生に聞いても「そんなことより」って言うんだ。じゃーいいやって、十歳頃にあんま頑張らなくなった。
それで統一テストとかいうのを受けたけど、オレは当然、何かに選ばれることはなかった。それでおっちゃんの所に帰ったんだけどさ……ボケてたんだ、おっちゃん。
オレのことはきちんと覚えてたけど、もうあの白い服を着なくなってたんだ。「仕事行かねーの？」って聞いたら、「もう終わったんだ」って言うんだ、おっちゃん。えーやだなーって思ったけど、終わったもんは仕方ねえし、無駄に金使うのも嫌だなって、オレ達はおっちゃんの故郷で暮らすことになったんだ。そこで畑耕したり羊追ったりしながら過ごしてたんだよ。楽しかったけど、おっちゃんが時々辛そうな顔をするのが嫌だったんだ。
そんである夜なんだけどさ、寝よう！ って思ったら何か嫌な予感がしたんだ。おっちゃんはもう寝てたから、とりあえずクワ持って外に出たら……びっくり！ ウチの裏口に黒い服来たやつらが集まってたんだよ。オレ、思わず「ドロボー！」ってクワ掲げたら、二人は倒せたんだけど後はやられちまってさぁ、そん中にめちゃくちゃ強い奴いたの。思わずオレ、「すげー、弟子にしてくれ！」って言ったら、びっくりされたけど、「いいだろう」って言ってれたんだ。そう、それが言ノ葉連合だったんだよ。
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