ひとりになれない ページ6
Asaid
議長に首を絞められた日の夕方。
やっと解放された私は部屋に戻った。
『‥‥‥やっと部屋でゲームできる。』
もうこのまま誰にも会わないで一日がおわって欲しい。
エンマ様が扉を壊したせいで部屋なのに落ち着かない。メイドさんとか門番さんとかこっちをのぞいている。
いや門番さんは門の番しろよ。
まぁ、いい。とりあえず布団の中にはいってゲームができればそれでいい。
「よっ、A!
ゲームやろーぜ!」
私の布団の上には何故かさっき私を置いて逃げた大王が。
『なんで私の部屋にいるんですか帰ってください裏切り者め。私は貴方を大王とは認めない』
「酷っ!ぬらりみたいなこと言ってる」
私を捨てて逃げたエンマ様。許しません。
『なんでいつもいつも私を1人にしてくれないんですかー?
エンマ様は私が嫌いなんですねー?』
ふん、と馬鹿にしたように鼻で笑うエンマ様。
なんですか。
「嫌いじゃないからゲーム誘ってんだろ!」
はぁ、とため息がでる。嫌いじゃないなら1人にしてほしい。他人の幸せなんてわからないんですよ、エンマ様。
『そーゆーの、いいんで。帰ってくださーい』
「ふふふ、これをみても同じことが言えるかな!?
今日発売の新作ゲーム!!!」
エンマ様が取り出したのは最大8人の通信プレイが可能の新作ゲーム。
今日が発売だったけど、予約がいっぱいでとれず、外に出て買うために列に並ぶなんて自 殺行為は絶対にしたくない。
仕方ないから諦め掛けていたのだけれど‥
エンマ様がもっているなんて。
『すごい、なんでエンマ様がそれを‥、や、やりたいです。
やらせてください‥』
「仕事をほったらかして買いにいったからな!もっと褒めていいんだぜ?」
『ごめんなさい素直に褒められません』
やっぱりエンマ様はエンマ様だった。
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作者名:キール | 作成日時:2017年9月19日 23時