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「すごい…こんな綺麗な星空、初めて見ました…」
目「やばいっしょ?」
あまりの絶景に、息をするのも忘れるくらい夢中になった。
「私、星見るの好きなんです。だから、こんな素敵な星空見られて感動っ」
目「だろうなって思った。」
「え?」
目「スマホのホーム画面、星空だったし。LINEのアイコンも。だから、Aに見せたいって思ったんだよね。」
「っ…//」
空を見上げたまま、優しく笑ってそう言う目黒さんに
顔が一気に熱くなる。
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夜でよかった。こんな顔見られるなんて、恥ずかしすぎる。
目「よかったわ、連れて来られて。」
目黒さんが、何の気なしに言っている言葉だって分かってる。
だけど、そんな目黒さんの一言一言が私の心臓を早める。
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目「…ねぇ、」
「なんですか?」
目「今日、楽しかった?」
「もちろんです。美味しいグラタンも食べられて、こんな素敵な景色も見られて…
もう、お腹も心もいっぱいでとても楽しかったです。」
目「ならよかった。」
そう言って、私の顔を見て優しく微笑む目黒さん。
「…どうして、誘ってくれたんですか?」
何かを期待していた訳でもなく、私の中にあった素朴な疑問を目黒さんに投げかける。
目黒さんは、一瞬の沈黙の後 口を開いた。
目「…岩本くんに、取られたくなかったから。」
「…え?」
目「Aはさ、岩本くんのことが好きなの?」
「もちろん。」
目「それは、推しとして?それとも、一人の男として?」
「当然、推しとしてです。」
目「ふぅーん。…もしさ、岩本くんから”付き合って”って言われたらどうすんの?」
「そんなこと、地球がひっくり返ってもあり得ないです。」
目「もしも、だよ。」
「…仮に、そんなことが起こったとして…その時は、きちんと考えて返事をします。」
目「…あっそ。」
目黒さんが聞いてきたくせに、素っ気ない返事。
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それからしばらく、近くのベンチに座って静かに星を眺めた。
夜風が冷たく感じてきた頃、「帰ろっか」っていう目黒さんの一言で私たちはその場を離れ再び車に乗り込む。
そして、目黒さんも岩本さんと同じように私を自宅まで送ると言って車を走らせた。
マンションに着くまでの車内は、互いに無言のままだった。
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時計ウサギ(プロフ) - オリジナルフラグ立ってますよ〜! (1月9日 9時) (レス) id: 80344cfbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱるる | 作成日時:2024年1月9日 0時