受付嬢は岩本担 (ページ13)

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その後の会話は、正直言って曖昧にしか覚えていない。

多分、年齢はいくつだとか、兄弟はいるのかとか、休日は何して過ごしているのかとか…

そういう他愛もない会話だったと思う。

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２時間ほど、居酒屋で食事したあと、岩本さんは「家まで送る」と言ってくれた。

岩本照様にそんなことさせられない！と、丁重にお断りしたけど

岩「こんな夜に女の子一人で帰らせるわけないでしょ。住所、ナビ入れるから教えて。」

そう言って、結局断りきれずに自宅まで送ってもらった。

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帰り際、運転席に座っていた岩本さんがこちらに振り向いて

岩「また誘うから、ちゃんと来てね。笑」

悪戯っ子みたいな顔してそう言った。

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自宅マンションの玄関を開け、緊張が一気に解れたせいかその場に座り込む。

「はぁ〜っっっ…王子様すぎるでしょっ…」

そんな独り言を呟いた時、玄関に響いたスマホの通知音。

画面を見ると、それは岩本さんからのメッセージだった。

そう、実は岩本さんの押しの強さに負け連絡先まで交換してしまったのだ。

”今日はありがとう。”

”ゆっくり休んでね。おやすみ。”

そんな、シンプルだけど優しいメッセージを読みスマホを胸の辺りでぎゅっと握り締める。

「推しと２人でご飯行って、連絡先まで交換するなんて私いったい前世でどんだけ徳積んだのよ・・・」

アホみたいな独り言を呟いたあと、ようやく腰を上げ部屋の中に入る。

仕事の疲れと極度の緊張も相待って、ソファーに座った瞬間、一瞬で睡魔に襲われた。

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