受付嬢は岩本担 (ページ12)

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＃１２ページ12

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気づけば19時を迎え、岩本さんが待っているであろう裏口に向かう。

吐きそうなくらいの緊張を抱え、震える足で裏口を出ると

壁に背を預けながらスマホを弄る岩本さんの姿が見えた。

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岩「お疲れ様。」

私の姿を見るなり、そう言って優しく微笑む岩本さん。

「お、お疲れ様ですっ。」

岩「よし。行こっか？」

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岩本さんの愛車、流石に助手席は…と思い後部座席にお邪魔する。

岩「緊張してる？」

「それは、もう…」

「ははっ笑」なんて、余裕たっぷりの岩本さんはやっぱりどこからどう見ても神々しい。

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車を走らせて20分ぐらい経った頃、おしゃれな外観の居酒屋らしきお店の駐車場に車が停まった。

岩「着いた！ここ、メンバーともよく来るんだけど焼き鳥めっちゃ美味いんだよね。」

そう言いながら、シートベルトを外し車を降りる岩本さん。

私も、急いで降りなきゃ！と、後部座席でわたわたしていたら開いたドア。

岩「行くよー。」

ニッコニコの笑顔でそこに立つ推しの姿に、一瞬見惚れながらも車を降りる。

そして、岩本さんの後ろに並んで店内へ。

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通された席は、完全個室でお店の一番奥にある部屋。

岩「好きなもの食べてね。あ、てか嫌いなものとかある？」

「いえ、もう、推しと食べられれば虫だって食べます。」

岩「なんだそれ笑」

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通い慣れている岩本さんに注文はお任せし、続々と運ばれてくる料理。

正直、味なんて感じないくらいには緊張していた。

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岩「ずっと聞きたかったんだけどさ、」

「はい…」

岩「Aちゃんは、何がきっかけで俺を好きになってくれたの？」

「えっ…何がきっかけ、と聞かれると…推しを目の前にしてそんな恥ずかしいこと、言えませんっ」

岩「えぇ〜、いいじゃん教えてよ〜笑こんなふうに、直接聞ける機会なかなかないんだしさ〜。」

「お願い！」

そんな可愛すぎる岩本さんに根負けし、私は岩本照推しになるまでの経緯を本人に話した。

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