【あんスタ】手違いでプロデュース科に入ったらALKALOIDの専属プロデューサーにさせられました。

逢着 ページ8

『あ、そうだったんだ…月永さんは見つかったの？』



「あのれおくんを一筋縄で見つけられるわけないでしょ。ほら、気分転換がてら一緒に探しに行こうねぇ」



返事をする間すら与えられずに瀬名さんに手首を捕まれ、歩き出す。



『せ、瀬名さん…引っ張らないでください』



「だったらシャキッと歩きなよぉ」



こっちの顔なんて1つも見ずに瀬名さんが言う。


仕事があるのに…強引だな、この人。



「息抜きは大事よォ、Aちゃん♪」



私の思ったことを見透かすように唇に指を当てて笑う鳴上くん。


そういえば息抜きなんてしばらくしてなかった。鳴上くんも瀬名さんもあんずちゃんといる時くらいしか関わったことなかったのに…2人とも心配してくれてたんだ。



『…そうだね、鳴上くん、瀬名さんも。ありがとう』



「あらァ、Aちゃんもかわいい所あるじゃない♪それと、アタシのことは嵐ちゃんって呼んでっていつも言ってるでしょォ？」



「なるくんは知らないけどさぁ…？俺のことはいつお兄ちゃんって呼んでくれるのぉ？」



『えっと…考えときます』



濁したような言葉に少し不満げな2人を見て気が緩み、微笑んでいると、目の前が何かで遮られる。



手に取って見てみると、それは乱雑に書きなぐったクシャクシャの楽譜だった。






「わははっ☆素晴らしい曲が書けたぞ！やっぱり、おれは天才だな……☆」

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