かわいい (ページ4)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:67,597 hit

４ページ4

K「太輔くん、土曜日の映画…行くのやめとく？」

「えっ、なんでよ？！」

思ったより俺の声が強かったのか
陳列している北山さんの肩がぴくっと上がった。

K「あ、いや、彼女さんに怒られないかなって」

「怒られるかもしれないけど…行くの。
約束してたのに守らないなんておかしいし、彼女のために友達を疎かにするなんて、それこそ絶対違う」

K「んはは。太輔くんはまじめだなー」

こんなこと絶対に言えないけれど、彼女とデートの日や彼女が家に来る日よりも、北山さんとの映画の方が楽しみだった。

だから行かないなんでありえない。

「今日、久々にアイス食べて帰らない？
あ、いや、さすがに寒いか。まあ、肉まんでも何でも」

K「え？いいのか？」

「うん。今日は彼女友達と遊んでるから」

K「やったー行こうぜー！」

それだけではしゃぐ北山さんが可愛くて、手を叩いて笑うと、そこうるさいよ！とパートのおばさんに注意されてしまった。

目を合わせて、ふふふって静かに2人で笑う。

「…え、でも北山さんもしかして風邪？」

注意されてもなお、小声で話しかけた。

ずっと気になっていたんだ。北山さんの鼻声とマスク姿。

K「違う違う！花粉だよー目めちゃかいー！」

「確かに真っ赤だね」

K「風邪だったら、行くのやめよって言ってた？」

「そりゃ、風邪の人が外で駄弁るなんてダメでしょ」

K「んはは、太輔くん優しいねー。
彼女に束縛されちゃう意味も分かるわ」

風邪じゃなくて良かったーって笑う北山さんが

くしゅんと可愛いくしゃみをした。

最近、彼女より北山さんに対しての方が可愛いって思ってる気がする。