かわいい (ページ18)

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O「ふーん。で？ヤってもうたんや」

「まぁ…」

大倉が、酒を片手にため息をついた。

大倉は大学一年生からの親友で、唯一俺のことをなんでも知っている奴だ。

暴露したのは最近。飲んでる時に、酒の力もあってか口が滑った。

大倉はいい奴だ。俺のことを引きやしなかった。

それから今日のように、大倉の家で呑みながら、恋愛相談とやらをよくしている。

O「そのー太輔くんやっけ？の、写真はないん？」

「あー…」

普段からパシャパシャ撮るわけではないが、数枚ならある。ふざけてパッて撮ったようなものばかりだけど。

O「相変わらずお前は…」

「なんだよ」

O「面食いやなあって」

「顔じゃねえよ…今回は」

今回はって言いよった！と指を刺して笑い出す。

やめろよと指を叩き落とした。

O「でも、玉ちゃんとはタイプがちゃうな？宏光は美白男子が好きなんやと思ってたわ」

「だから…」

O「太輔くんのことはほんまに好きなんや」

核心をつかれて、思わず黙り込む。
誤魔化すために酒を思いっきり流した。

O「じゃあ、なんでヤってもーてん」

「好きな人に、誘われたら…断れないじゃん。
まさかそんなことなるって思ってなくて、諦めてたから…嬉しくて。友達でいられたらいいやって、彼女いるって聞いた時から…」

O「彼女がおるやと？！？！お前アホか！！
そいつ浮気男やんけ！！」

言わないでよ、と呟いた声は自分で思ったより小さくて、消えそうだった。

言葉にしないでくれ。わかってる。

太輔くんはノーマルで、俺とは違うことなんて。

彼女がいて、きっとちょっとマンネリ化でもしてるんだろう。そんな生活に、ちょっとした刺激がほしいだけ。

その刺激が、俺なだけ。

本気なのも俺なだけ。太輔くんにとって俺は遊びなんだってわかってる。

O「バレたら面倒いぞ〜やめようって言え。
それが素直に告白し」

「…うん」

O「それ絶対やらんやつの返事やんけ」

散るってわかってて、そんなこと…したくない。

やめなきゃいけないなんて分かってるけど、やめたくない。

会おう、遊びに行こう、って言われたら断れないし

会おう、遊びに行こう、って言いたい。

ベッドで、下から太輔くんを見上げたい。あの時間が幸せで、切なくて、やめられない。

O「アホやなあ。お前」

「だよね…」

ヤっちゃったら、完全に遊びになってしまうことなんてわかっていたのに…止められなかった。

人のモノと分かって、手を出した俺は最低だろう。