かわいい (ページ12)

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K「よっ！！」

待ち合わせの駅前で待っていると、北山さんにポンと肩を叩かれる。

一言目はなんて言おう、俺は普通にできるだろうか…

なんて、ぐるぐる考えていたせいで、近づいてきていたことに全く気が付かず。

「わっ…！！」

すごく大きなリアクションを取ってしまった。

K「んははっ、びっくりしすぎだろ。お待たせ」

「ご、ごめん…体調は、大丈夫なの？」

K「うん、平気平気〜行こーぜ！」

俺の半歩前を、ポケットに手を突っ込みながら歩く北山さん。

少し俺より下にある頭が可愛い。セットされた髪が、一歩一歩歩くたび、ふわふわ揺れる。

「…はぁ」

俺は何を考えてるんだか。

もう、なんだか何にも可愛いと思ってしまう。

K「ちょ、今ため息ついた？」

「えっ？！いや、えっと、」

K「ありえねーよー、俺すっげえ楽しみにしてさあ
元気なって、ここまで来たのにい」

「ごめん！ごめんごめん。俺も楽しみにしてたよ」

K「ふーん？じゃ、いーけどよ」

少し拗ねたような横顔。唇が尖っている。

…あぁ、まただ。また、可愛いって思ったな…俺。

K「あーあ、すっかりさみーなー」

「…冬嫌い？まあ、北山さん夏の方が似合いそうだね」

K「そりゃ夏の方がいーだろー。解放感あるし、外の遊びも豊富じゃん。寒いのが何より無理っ！」

そんなことを言う割りには、北山さんの今日のコーディネートはとてもシンプルだ。

デザインもシンプルだが、ニットにコートのみ。

「そんなに寒いの嫌いなら、マフラーとかしなよ。
また風邪ひくよ？(笑)」

K「動きやすさ重視しちゃうんだよなー。それに…」

「それに？」

K「また看病してくれたらいーじゃん。太輔くんが」

「は…っ」

思わず歩みを止めた俺を見て、北山さんが噴き出して笑う。

分かりやすいなーと、指を指してバカにされる。

「だ、だめだよ！や、あの…看病はするけど！
風邪引いたらダメでしょ？しんどいじゃん」

K「あははっ、そーだな。じゃ、暖取らせてもらおう」

北山さんが、俺の腕に腕を巻き付けてきた。

えっ？！と離そうとしても、強い力で巻き付けられており、離れない。

「ちょ、っと！人いっぱいいるから…！！」

K「別に誰もなーんにも思わねぇよ。戯れてんなーくらいじゃね？てか、事実そーだろ？それとも何かやましいことでも？」

「な、ないよ！ないない…」

やましいこと…あるし、北山さんの様子いつもと違うし…。

もう、どうすれば…っ！