569. 贅沢なお宿 ページ9
いつになく食い気味で話を進めようとする彼。
『あ。重ね付け出来る方がいっか?』
「え? 重ね付けって?」
『うん。エンゲージリングにブライダルリング。』
……ブライダルリングって言った?
ブライダルって結婚だよね?
えっと、ってことは
「けっ、結婚指輪ってこと?!」
『ぷっ! 当然でしょ? なんで、そんな驚くかなぁ? プロポーズしてＯＫくれたでしょーがっ。』
……はい。言いました。”お願いします”って言いましたよ。
思わず大声で叫んでしまったけど
そこは、やっぱり驚くべきことでしょ?
私の反応が正解なんだと思うんですが…
『ーーーA。オレさ、ちゃんと本気で考えてるから。』
「っ……」
それは、私との未来なんだよね?
また彼だけに無理をさせてるような気がして…
『あぁ、トイレ休憩しなくて平気?』
「え、うん。カズは?」
『オレも平気。んじゃ、ノンストップで行っちゃいますよぉーーーっ』
「うんっ!」
たぶん何も言えないままの私を気遣って話題を変えてくれたんだと思う。
後でちゃんと伝えなくちゃね。
やがて緑に囲まれた舗装はされてるけど道路が狭い田舎道に入った。
アキ、本当にここで合ってるよね?
こんなトコロにあるのか、少し不安になってきた時
『うわぁっ! すげぇ贅沢なんじゃね?−−−そのぉ…大丈夫なのか?』
んー。確かに宿泊出来る人数は限られてるから
カズとしては、私の懐事情が気になってるんだと思うけど
「うん。私からのプレゼント!」
『ちょっと、マジですげぇなぁー。離れだよっ!』
「ふふ、うん。」
いつも忙しいカズに、自然とともに目覚めて
自然とともに眠るっていう当たり前のことだけど
なかなか現実的には出来ないことだろうから
是非とも味わって欲しかったんだぁ。
車を停めて外に出たら、ここの女将さんなのかな?
一目見て、ベテランって分かる年配の女性がお部屋まで案内してくださった。
「ありがとうございます。」って挨拶しながらも
カズの存在がバレないかドキドキする。
女将さんは、お部屋の中の説明をザッとしてくださって
「ごゆっくりどうぞ。」と一旦、お部屋を出て行った。
その間、カズは帽子を目深に被ったまんまで
気付かれてなきゃいいんだけど……
『んな心配しなさんなってのっ。それよりさ、部屋探検しよっか?』
「うんっ!」
『景色、いーなぁ。川の流れる音が聞こえるわ。』
「ホントだねぇ」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くぅ(プロフ) - 実和さん» 実和さん♪お久しぶりです!こんなに 長いお話にお付き合いくださってありがとうございます。ようやく新章に行く準備が整いましたので、お時間がよろしければ遊びに来てくださいね(´∀｀*)温かいコメント嬉しかったです! 本当にありがとう(*´∀｀*) (2015年2月11日 13時) (
レス) id: 87f6f87f6e (このIDを非表示/違反報告)
くぅ(プロフ) - Kinchanさん» kinchanさん♪新章に移行する準備が整いましたので、お時間がよろしければお付き合いくださいね。いつもいただく温かいコメントが嬉しくて、「よしっ! 次も頑張るぞ〜」って思える糧になってます。益々甘くなる二人かも知れませんが男前なカズくんに会いに遊びに来てね (2015年2月11日 13時) (レス) id: 87f6f87f6e (このIDを非表示/違反報告)
くぅ(プロフ) - Kinchanさん» kinchanさん♪本文をUPするのに必死で、なかなかお返事返せずに申し訳ないです(´；ω；｀)下書き無しのぶっつけ本番なので、頭の中では完結してるのですが実際、文字起こししたら予想外に長くなってしまい…ここまでお付き合いくださって感謝感激でございます。 (2015年2月11日 13時) (レス) id: 87f6f87f6e (このIDを非表示/違反報告)
くぅ(プロフ) - miyu-miyuさん» miyu-miyuちゃん♪お久しぶりです。今更ながら50話づつ描けば良かったなぁと公開しながらも新章に移行致します。お時間ある時にでもお付き合い下さったら嬉しいです! ここまで本当に温かく見守ってくださって感謝してます。いつもコメントありがとうございます(´∀｀*) (2015年2月11日 13時) (レス) id: 87f6f87f6e (このIDを非表示/違反報告)
くぅ(プロフ) - みつさん» みつさん♪いつも温かいコメントをくださって、ホント感謝です。着地点は決まってるのですが書き出すと思ってたよりも長くなってしまって、ここまでお付き合いくださって本当にありがとうございます。30話づつと決めてるので新章に移行します。良かったら遊びに来てね。 (2015年2月11日 12時) (レス) id: 87f6f87f6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くぅ
| 作成日時：2014年12月23日 3時
