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何と言われたのか、気がつかなかった。
小さな声で聞き返すと彼女はまた言った。

「大好きだった。」

その言葉は過去形だった。このままだとふと目があってしまいそうな気がして、中也は思わず俯いた。

「だから、今までポートマフィアに居たんだよ。でも、中也は私に興味がないって分かって……その時、あの人が現れたの。中也に似てるって気づいたら、つい好きになってた。」

Aの声が震えているような気がした。

「中也のことは諦めた。私は大丈夫だから。これからもあの人について行く。中也は私なんて連れ戻さないでいいんだよ……。」

早口でまくし立てる声に我慢が出来なくなって、中也は顔を上げた。
此方を見る彼女の顔は涙で濡れていた。

「おい、何で泣いてるんだよ。」

「何でもないから……。こっち見ないで。」

「ボスについて行くのが嫌なのか。」

「本当に、何でもないって……。」

「何でもないなら泣かねえだろ!」

中也はAの元へ近づいていった。すると、彼女は来ないでと弱い抵抗をしながら後ろに下がっていった。彼女の背中は壁についてしまった。

「俺はお前のことが好きだ。今でもな。」

驚いた彼女の上擦った声を聴いて、中也は気持ちを抑えられなくなっていた。

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設定タグ:短編集 , 文スト , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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秦弓月(プロフ) - お返事が遅くなりすみません。素敵なお話ありがとうございました。 (2018年12月29日 13時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - 遅くなって本当に申し訳ありません!完成しました。 (2018年12月22日 1時) (レス) id: cc1fa790a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - あやなさん» 了解しました!なるべく早く投稿できるようにするつもりですが、少し遅れてしまうかもしれません。 (2018年9月15日 22時) (レス) id: f7b9203701 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - その後、彼の側に居たいとポトマを出奔し、ボスの側近として敵組織に与してしまいます。彼女の異能力が悪用されることを恐れた首領から連れ戻すよう命じられた中也さんは…という感じです。よろしくお願いします。 (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 猫又さん» 中也さんの方の設定が固まりましたので、コメントさせていただきます。全体のコンセプトは「中也さん×裏切り夢主」です。夢主は中也さんの幼なじみの異能力者で、補佐役を務めていました。しかし、ある時敵のボスに恋してしまいます。(続きます) (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫又オイル | 作成日時:2017年3月14日 21時

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