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「Aさん！」
振り返ると、満面の笑みを浮かべた敦くんが立っていた。
初めて見る私服姿にドキドキする。
「すみません。待ちましたか？」
「ううん、全然。」
何てベタなやり取りをしてしまって、少し恥ずかしくなった。
先日、敦くんからの告白によって晴れて付き合うことになった私たち。
今日は2人で私が観たかった映画を観に行くことになっている。
最近話題になっていてダイナミックな展開の洋画が気になっていて、
デートには相応しくないかな、と思いながら敦くんに提案してみると
『Aさんが観たいものならなんでも！』
と、キラキラした笑顔で返された。
今まで年下とは付き合ったことがなかったけど、
敦くんを見ているとこんな眩しさもいいな、と思う。
清々しい空気の中、映画館へと歩き出す。
生暖かい風も、この瞬間では心地良いくらい幸せだ。
他愛もない話をしながら歩いていると、敦くんの視線が私から逸れて、
その先を見ようと振り返ると太宰さんが居た。
「太宰さん！どうしてここに？」
「いやあ、まさか休日にも会うとはね。ちょっと散歩をしに、ね。」
そんな太宰さんの足元をちらっ、と見ると裾の部分が濡れている。
今日も入水かな？
「ナニ、君達今日はデートかな？」
太宰さんが揶揄うように聞いてきた。
「そうなんです。」
その手には乗るか、とばかりに平然と答えてみせた。
すると太宰さんはニヤッと笑って
「通りで気合い入ってるんだ。その格好、可愛いね。」
「あ、ありがとうございますっ」
その勢いにそろそろ戸惑ってきたその時、いきなり敦くんに腕を引かれた。
「Aさん、そろそろ急がないと。」
見せてくれた腕時計を見れば、映画が始まるまであと10分ほど。
ここから走れば間に合うくらい……かな？
「太宰さん、そういう事なので……」
「わかった。楽しんできてね。」
上司に見送られ、私たちは全力疾走で目的地へ。
流れ込むようにして辿り着いた。
急いでいたから飲み物も買わず、脱水症状とかちょっとだけ不安だけど
期待していた映画はやっぱり面白くて、スクリーンの中の世界に引き込まれた。
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秦弓月(プロフ) - お返事が遅くなりすみません。素敵なお話ありがとうございました。 (2018年12月29日 13時) (
レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - 遅くなって本当に申し訳ありません！完成しました。 (2018年12月22日 1時) (レス) id: cc1fa790a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - あやなさん» 了解しました！なるべく早く投稿できるようにするつもりですが、少し遅れてしまうかもしれません。 (2018年9月15日 22時) (レス) id: f7b9203701 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - その後、彼の側に居たいとポトマを出奔し、ボスの側近として敵組織に与してしまいます。彼女の異能力が悪用されることを恐れた首領から連れ戻すよう命じられた中也さんは…という感じです。よろしくお願いします。 (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 猫又さん» 中也さんの方の設定が固まりましたので、コメントさせていただきます。全体のコンセプトは「中也さん×裏切り夢主」です。夢主は中也さんの幼なじみの異能力者で、補佐役を務めていました。しかし、ある時敵のボスに恋してしまいます。(続きます) (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫又オイル | 作成日時：2017年3月14日 21時
