【MASHLE】天使の少年 (ページ3)

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E p i s o d e . 2 ページ3

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『ああもう、動くなよ……』

ぱやぱやと鬱陶しい。半ばキレ気味に杖を振り、綺麗に並んだ文字を睨む。早く出しに行かなきゃ。

僕が一番かと思ったが、どうやらさっきのキノコ頭の方が一足早く、めっちゃ綺麗に文字を並べてたのだから正直びびった。

なんやかんや色んなことをやらされ、その度突破。なんか……普通だな。

Kroad「次の試験はこの迷路を解いてもらう。もちろんただの迷路ではない。中には様々な罠が仕掛けてある」

また面倒くさそうな…。これくらいなら一人でいいや、と、僕は迷路に足を踏み入れた。

『……空飛んだりしてクリアとか、ありなんかな。』

とりあえず色々動いてみるが、まあ当然たどり着くわけもなく。仕方なく杖を出した。

僕の固有魔法は、最適解(オプティマス)。その状況で一番良い答えを出し、その通りになる魔法。

迷路の最適解を導き出し、僕を誘導するように道に矢印ができる。

ある者はこれを心底便利な魔法だという。が、魔力量の消費が少なくないため、僕的にはあまり使いたくない。

と、言うのも、僕は元々の魔力量が多くなく、"天使の加護"によって底上げされているからここまでの魔力量を所持しているだけなのだ。

"天使の加護"も底なしではない。最適解(オプティマス)はそう何度も使えたものでは無いのである。

とはいえ試験には最適解(オプティマス)は必須。迷っていたら合格すら危ういのだから、使わざるを得ないだろう。

『……なんか、普通だな…』

この程度でしか無くて本当に試験と呼べるのだろうか。僕は一種の不安を抱えながら、矢印に沿って歩き始める。

と。

何かしら、大きなものの気配に振り返る。

そこに居たのは何やら大きな武器を抱えたたぶん人…ではない何か。

「昼には2本足、夕方には3本足の生き物はなーんだ？」

まあ、確かにこのままゴールなんかしちゃったらつまらないもんね。

『……別に考えてあげてもいいけどさ…』

なぞなぞとかそういうのは生憎(あいにく)得意では無い。決着つけた方が早そうだ。

『……それ聞いて答えに浮かぶのって』

これくらいなら、基礎魔法でも簡単に勝てそう。

『化け物くらいしかいないくない？』

かなり基礎的な魔法に魔力を込め、杖を振る。意図も容易くそれは目を回してしまい、僕は平然と背を向ける。

なーんだ、もうゴールか。