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さあ集合! ページ6






『今日は学校おやすみなのに、なんではやおきしなくちゃなのさ、ベル』




助手席で頬をふくらませながら、シードルは拗ねた様子で不満を漏らす。運転席に座るベルモットは、自身が掛けていたサングラスをシードルにかけてやりながら、ふふ、と笑った。




「そんなに嫌な顔をしないで頂戴。少し久しぶりでしょう?幹部が揃うのは。」




要するにジンからのお呼び出しらしい。シードルはジンの顔を思いながら更に顔を顰めた。




『……今日は1時間目が図工なのに』




作りかけの図工の作品があるんだ、とベルモットに訴えるが、ベルモットは相も変わらず笑うだけだった。












『キャンティ〜!!』




集合場所についた途端駆け出し、真っ先にキャンティに飛びつきに行ったシードルを見て、バーボンはため息をついた。




「元気そうじゃないか、シー」



『うん、キャンティに会いたかったから!!』



「嬉しいことを言ってくれるねえ!」




わしゃわしゃと頭を撫でられて嬉しそうに含羞(はにか)むシードル。そんな空気にも動じず、ジンが話を切り出した。





「───要するに、偵察ってことかしら」




ジンの話をまとめながら、キールはシードルの髪を櫛で梳く。髪を結い上げてやりながら、作戦の内容を確認し、顔を顰めた。




「変装は問題ないかもしれないけれど、偵察に行くのは保護者同士の懇親会でしょう?こどもがいないのに侵入するのは怪しまれるわ」



「まあ要はこども自慢のためのパーティですから、こども役がいない中での偵察は怪しいと思われても仕方ないかもしれませんね。」



バーボンもキールに乗っかってそう言った。



ジンが説明した作戦は、大手企業が開いた懇親会に潜入する手立てだった。しかしその懇親会は、子ども連れの親たちが参加しているパーティ。そのため、子ども役がいない中での潜入は困難だ、とキールとバーボンが言ったのだ。




「あらそれなら心配要らないわよ、ねえ、シー?」




あわよくばこの潜入は諦めてくれ、と願ったバーボンとキールの願いを裏切り、ベルモットがシードルへ手を伸ばして、さらさらと頭を撫でた。





『…うん、心配しないで、おふたりさん。シーね、多分演技は二人よりずっとずーっと得意だから』





人差し指を口元でたてると、シードルは、いたずらっぽく笑った。




「そういうこった。潜入はシードルとベルモット、ターゲットはキャンティとコルンで射殺だ。バーボンとキール、テメェらは保険だ」




キールとバーボンは舌打ちを噛み殺して頷いた。

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ロン(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!最近で1番ハマってます!夢主ちゃんかわいい (9月30日 22時) (レス) @page8 id: 40ab8ae48d (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主が好き💚 (9月22日 21時) (レス) @page3 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
たぬきそば - どストライクすぎてドッペルゲンガーなんじゃないかと思った...。好きです...。 (9月21日 1時) (レス) @page2 id: b27f53e27a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らぐどーる | 作者ホームページ:無いっス。  
作成日時:2023年9月21日 1時

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