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『…本当に、知り合いなんかじゃないよ』
コナンの的を射る問いかけに、少しの間を挟み、Aは何ともないようにそう言った。
『下の名前がわかったのはね、ネットの書き込みを見たからだよ。
Aはポケットに手を突っ込むと、コナンにスマホの画面を向けた。そこには、確かに喫茶ポアロの名に並び、近場の店の検索履歴があった。
『ここの、あった、これ』
クチコミサイトを開き、どこかをタップしたあと、またコナンに画面を見せた。
『勝手にお店の人のおなまえ書くの、感心しないよね』
にっこり、一瞬の隙も見せない笑みに、コナンは静かに手を握りしめた。
『ね、透お兄さん!いやだよねえ、勝手におなまえ書かれちゃ!
このクチコミ、わたしが違反報告しといたげるね♡』
スマホを揺らしながら、またもや安室に突っかかっていく。安室は負けじとにっこり笑みを浮かべた。
「それはそれは…お気遣いありがとうございます」
トレイからマグカップをAの前に差し出し、安室はキッチンに帰って行った。
『ふふ、……っげ、』
してやったり、という顔のAがマグカップに口をつけて飲み込んだかと思えば、舌を出してマグカップを遠ざけた。
『っんの、……あいつ、……!ブラックコーヒーとかガキかよ、…!』
やり返された怒りをどうしようも出来ず、更に仕返しを考えながら、ブラックコーヒーに角砂糖を入れた。
『きーるぅ……バーボンがね、いじめてくるの。』
シードルのランドセルを受け取りながら、キールは苦笑いを向ける。シートベルトをしながら、運転席のバーボンがふっと鼻で笑った。
「大人をからかうからですよ、お嬢さん」
『ブラックコーヒーはガキ過ぎるでしょ』
「ブラックコーヒーも飲めないのは、ガキ過ぎやしませんかねえ」
エンジンをかけると同時に、後頭部にひんやりと金属の冷たさを感じ、バーボンはまたもやふっと鼻で笑う。
「あなたの体格じゃ、ベレッタは扱えないでしょう」
『どうだろうね』
セーフティを外す音がする。扱えなくとも、銃の構造をよく理解しているのを見ると、やはりシードルは裏の社会で育ったのだと実感させられる。
「ちょっと、シー、バーボンもよ。落ち着いて」
シードルの手から優しくベレッタを取り上げ、キールが柔く間に入った。
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ロン(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!最近で1番ハマってます!夢主ちゃんかわいい (9月30日 22時) (レス) @page8 id: 40ab8ae48d (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主が好き💚 (9月22日 21時) (レス) @page3 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
たぬきそば - どストライクすぎてドッペルゲンガーなんじゃないかと思った...。好きです...。 (9月21日 1時) (レス) @page2 id: b27f53e27a (このIDを非表示/違反報告)
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