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「Aちゃんっていつこの町に来たの?」
『うーん、…1週間くらい前だよ』
コナンは少し前を歩く転校生を睨みながら頭を回す。歩美だけでなく、光彦や元太も仲良さげに話しているのを見ると、狙われているのではないか、と気が気でないのだが、無理に詮索すればそれこそ、自身が"工藤新一"として今なお生きていることがバレてしまうかもしれない。
「おい灰原…、なんなんだ、アイツ…」
「……コードネームはわからないわ。でも、」
絶対に組織のメンバーよ、と灰原は言葉を濁らせた。ふわふわと太陽を反射させた銀髪を揺らしながら、ひとつの隙も無く歩いているのを見ると、やはり確かに普通の小学生ではなさそうだ。
「…探るか」
コナンは元太に突っ込むフリをして、さりげなく距離を詰めていく。そうしてAのランドセルに小さな盗聴器を貼り付けた。
『じゃあ、わたしこっちだから。またねあゆみちゃん、げんたくん、みつひこくん。
……と、灰原哀ちゃん、江戸川コナンくん』
歩美たちが大きく手を振る横で、コナンと哀は静かに警戒を強めた。
「シー、本当にあなたって人は、」
『顔がこわいよバーボン。そんなベビーフェイスで睨まれても、よしよししてあげたくなっちゃうだけだよ』
コナンたちと別れ、二回ほど曲がり角を経た先に、朝と同じ車が止まっていた。A、もといシードルは迷いなくその車のドアを引き、乗り込んで早々にバーボンに睨まれた。
軽口を叩いてやれば、ベレッタが何の迷いもなく突きつけられるが、シードルは動じず、朝と同じようにキールの名を呼んだ。
『ほんとに、小学生になんの迷いもなくベレッタ突きつける大人にはなりたくないよね、キール』
しかし返ってきたのはキールの声ではない。
「随分遊んで来たのね、シー」
シードルは助手席からばっと後部座席を振り返る。そこには、プラチナブロンドの髪を艶めかしく揺らした彼女だった。
『ベル。朝はいなかったのに』
「あらそんなに寂しかったの?」
『冗談言わないでよ、ベル。わたしバーボンのお相手で忙しいんだから。』
それより、とAはぴかぴかの赤いランドセルをベルモットに渡す。
『それに盗聴器つけられた。さっき壊しちゃったけど。あのメガネの子、江戸川コナンとかいうあの子』
ベルモットはその名を聞いて妖しく口角を上げる。
『変な子だね。わたしのこと、すごく睨んでた』
学校楽しくなりそうだよ。
シードルは碧眼をゆっくりと細めて言った。
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ロン(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!最近で1番ハマってます!夢主ちゃんかわいい (9月30日 22時) (レス) @page8 id: 40ab8ae48d (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主が好き💚 (9月22日 21時) (レス) @page3 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
たぬきそば - どストライクすぎてドッペルゲンガーなんじゃないかと思った...。好きです...。 (9月21日 1時) (レス) @page2 id: b27f53e27a (このIDを非表示/違反報告)
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