【呪術廻戦】姉じゃなくてすみません

似てないところ ページ6

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『でも、でも結局、両親が見ていたのはいつだってわたしの術式(ちから)だけで、五条さんにもやめろって言われて、他人行儀な距離感で、興味を持ってすら貰えなくて。

昔っから、何やってもぜんぜんうまくいかないんです、だから、


だから、七晴(おねえちゃん)の真似すれば、もっと楽に生きれると思ったんです。』




何一つ、また上手く行かなかったけれど。堰き止めていた本音が、がらりと崩壊して、口から溢れ出した。




『双子になんて、生まれなかったら、わたし、もっとじぶんをすきになれたのかなあ』




そう言った途端、額にでこぴんが飛んできた。力なんか篭ってなくて、ひたすら優しい。




「七晴(ななせ)の前で言ったら、怒られるよ、それ。いっつも妹のことばっか話してたしさ、あいつは」




知ってるよそんな事。恥晒しだと閉じ込められてばかりだったわたしを連れ出してくれたのはいつだって姉だった。両親がわたしの駄目なところをぺらぺらと愚痴り始めたら、さりげなく話題を移動して、励まして、出来すぎた姉だったと自分でも思うよ。




小さい時から、何も言わずに手を引いてくれたお姉ちゃん。どう失敗しようが、頑張ったねって褒めてくれたお姉ちゃん。他人に何を言われようが、構わないと道を突き進んだかっこいいお姉ちゃん。




ああ、大好きだなあって。




『も、ちょっとだけ、いきてて、くれたら』




ちゃんと、ありがとうって、ごめんねって、




『お姉ちゃんの、妹で良かったよって、…』



もっと、ずっと生きてさえいてくれたら




『だいすきだよって、いえたのに、っ』




ずっとずっと、そばに居てくれるって信じていたの。味方でいてくれるって、だいすきでいてくれるって。でも、でもお別れも言えないまま、話もできないまま、お姉ちゃんは、もっとずっと届かなくなった。




包帯は巻きかけの右腕で、必死に目元を拭う。会いたくて会いたくてたまらなかった。後から後からとめどなく溢れ出した涙を、いつもなら、そう、いつもなら姉がハンカチをくれたんだ。




名前呼んで、大丈夫だよって励まして、お姉ちゃんがいるよって笑って欲しくて。




「泣き虫なのは七晴(ななせ)とは似てないな、」




それでも、お姉ちゃんに負けないくらい暖かい手のひらが、わたしの頭を優しく、暖かく、少しだけ、不器用に撫でた。







「悟、早く渡してくるんだ」



「あぁﾞ！？この雰囲気の中渡せるわけねーだろ！！感情持ってないのかてめーは！！」




缶ジュースが1本、五条の手にあった。

縮まった距離感→←少しだけ暖かい

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