新しい家族 ページ3
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一番の問題を忘れていた。
それは向かいの部屋に彼女が来るということはニャンコ先生と話すとバレるという事。
それを先生にいい忘れていた事。
つまり、いつものように騒がれては困るのだ。
今まで、塔子さんはなかなか二階に来ないので安心して話していたけどこれからはそうもいかない。
「先生、これはから静かにしてくれよ？Aちゃんにバレるだろ。」
だがしかし、コソコソと話すがその意図はなかなか先生に伝わらなかった。
「にゃにをそこそこと話しておるのだ！きこえんではにゃいか！はっきりはなせ！」
「先生！静かにしてくれ！」
「にゃに！？」
「向かいの部屋に聞こえるだろ！」
わざとなのかそうでないのか。
段々と騒がしくなり気づいた時にはもう遅かった。
コン コン コンとドアを叩く音がして静かにドアを見つめた。
バレて…ないだろうか。
『あ、あの、Aです…』
「あ、ああ。開けるよ。」
ドアを開けると下からAちゃんが俺を見上げていた。
背が低い俺は女子からでも見上げられることはなく小さい彼女を可愛らしいと思った。
『た、貴志さんは…』
「さんか…さんは嫌だな。」
思った事がそのまま口に出た。
『あわわ！ごめんなさい…』
「いや！ごめん。思った事が無意識に口に出てしまったというか…」
『ええっと…貴志くん？それとも、お兄さん…？』
ううっ可愛い。
何か黒ニャンコみたいな。小狐みたいな。
「兄など似合わん！もやし、なんてどうだ？」
ニャンコ先生が提案した。
『もや？、っあ！え、えっと！ちがくて…私の事はAと呼んでください！！』
Aちゃんは一瞬反唱しかけて慌てて話をそらした。
「わかったよ、A」
しかし、その時俺は違和感を覚えた。
だかそれはすぐに確信へと変わってゆく。
「A。今、俺以外の声聞かなかったか？」
もやし、と馬鹿にした事にはゲンコツの一発でもくれてやりたいがそんな場合ではない。
Aは聞こえてて聞こえないふりをした。
『いえいえいえいえいえ！そんな！人以外の言葉なんて聞こえるわけないじゃないですか！』
偶然その時、窓から中級たちが俺を呼んだ。
「なっつめ様ー！」
「夏目ー！」
「夏目殿ー！」
『あ！誰かに呼ばれてますよ！』
気をそらしたかったのだろう。
でもそれは普通の人には聞こえない
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作者名：藤咲 | 作成日時：2018年8月16日 2時
