検索窓
今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:22,735 hit

○59 ページ9

.






一瞬、息の仕方を忘れた。


瞬きをすることさえ忘れた。







のんちゃんが、遠くに運ばれていくのを、見ていることしかできなかった。



その光景から、目が離せなかった。







.







一人、のんちゃんの部屋から出てきた看護師がいて、



「望くんの、お友達?」



優しい声で、私に話しかけた。






「の、ん、ちゃん、は、大丈夫、なんです、よね…?」





うまく言葉にすることすら難しくて、発された音はぶつぶつと切れていた。






のんちゃんは、いなくならないよね?


だって、私、のんちゃんの看護するって、言ったもん。







.








「のん、ちゃんはっ、」



「最善を尽くします」







「のんちゃんは助かりますよねっ!?」





考えようと必死になっても、頭が考えるのを拒否して、パニック状態。





「落ち着いてください!」


「のんちゃん、のんちゃんっ!」






叫んだって何にもならない事分かってるはずなのに、どうしても叫ばずにはいられない。





両手に一つずついちごミルクを持って、病院の中を全速力で走った。





これ以上出せないくらい大きな声で「のんちゃん!」と叫んだ。






看護師さんに止められたって、振り払って、のんちゃんの運ばれていった方へただひたすらに走った。








のんちゃんは、生きている。


その証明がほしくて、ただひたすらに、走った。








.

○60→←○58



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
180人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

えぇふぇす(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます。まだそんなにお話は書いていませんし、私の代表作は今のところこれです笑笑。今年はあまり更新できそうにないですけど、どうにか頑張ろうと思います!ご愛読ありがとうございました。 (2018年6月21日 22時) (レス) id: 298ecf02a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 2日かけて一気に読ませていただきました。後半は涙が止まりませんでした。夢小説で涙を流したのは初めてだったので、自分でもびっくりしています(笑)時間がある時に他の作品も読んでみます! (2018年6月19日 1時) (レス) id: 43edfcd303 (このIDを非表示/違反報告)
えぇふぇす(プロフ) - 虹色ジャスミン????????さん» ご愛読ありがとうございました!感動してくださって、本当に嬉しいです!ぜひほかの作品も、よろしくお願いします! (2018年5月6日 20時) (レス) id: 298ecf02a2 (このIDを非表示/違反報告)
虹色ジャスミン????????(プロフ) - 泣かないで笑って?読ませていただきました!すごく感動して、涙が止まりませんでした!また、機会があれば書いてくれると嬉しいです! (2018年5月6日 10時) (レス) id: e174304866 (このIDを非表示/違反報告)
えぇふぇす(プロフ) - 369さん» 私なんかの作品に涙してくれるとは、本当にありがたいです!病系については他のお話は考えてないのですが、機会がありましたら書かせていただきます!他の作品もよろしくお願いします! (2018年5月4日 20時) (レス) id: 298ecf02a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年4月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。