泣かないで、笑って？ ２ （桃）

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「ホワイトデーやで」






のんちゃんがくれたのは、ピンクの箱に入った可愛いマカロンだった。





「わぁ、ありがとう」





大毅もそうだけど、お返しのセンスがいい。


女の子が喜ぶものってわかってるのかな？






「これはお店のものだよね？」


「おん。俺がネットで調べて、ねぇちゃんに買ってきてもらったん」





ベッドから動けなくたって、のんちゃんなりに色々考えてくれていることが嬉しかった。





「ミサンガは、もうちょいやねんけど、間に合わへんかったからまた今度な」


「うん。ゆっくりでいいよ。いくらでも待つから」






いくらでも待つ。

そう言えば、のんちゃんはずっとここにいてくれる気がして。



もしミサンガを作り終えてしまっても、となりにいて欲しかったから。



桜の約束だって、今年だけじゃなくて、来年も、その次も、一緒に見たいって思っているんだ。


そう思っているのが私だけだとしても、優しいのんちゃんは笑って頷いてくれるだろうから。




「のんちゃん、桜楽しみだね」


「そうやなぁ」





窓を覗けば、つぼみがつき始めた桜の木。




もうすぐ春がやってくる。


私は三年生になるんだ。


クラス替えでメンバーが変わるから、頑張ってみようかな。


声をかけて、仲良くなって、大切にしたいと思える友達ができたら、毎日がどんなに楽しいことか。





私は、まだ知らないから。


だから、知りたい。


楽しい毎日を、知りたいんだ。





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