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4. ページ4

Aside




3年前の夏。





仕事で大きなミスをして落ち込んでた。



イヤホンで大音量で
音楽を流しながら俯いて歩いてた。


特に好きなグループとかはなかったから
シャッフル再生でロック曲を聴いていた。


ロックなら知らない曲でも
気分上がったりしないかなぁって。





外の世界を断ち切るみたいに。


そうすれば嫌なこと忘れられるかなぁ、、って。









ドンッ、、


智洋「すいませんっっ。」


A「いや、こちらこそごめんなさい。」






ぶつかったその人は肩にギターを掛けてて。




右手には白杖。


あぁ、この人目見えないんだって
分かるのに時間はかからなかった。





下を向いて自分だけのことしか考えてなかった
私が完全に悪いのにその人は必死に謝ってきて。




智洋「ほんまにごめんなさい。
お怪我ありませんか??」


A「全然大丈夫です。
私も、本当にごめんなさい」





A「じゃあ、失礼します。」



その場を立ち去ろうとした時、、、






智洋「あの、、、




駅って、どっちでしたっけ?」


A「え、、?」


智洋「すみません、ちょっと道、分からんくなってもうて、、笑」


A「あっ、駅ですよね。
こっちです。私も駅向かってるんで一緒に行きますか?」




「えっ、ほんまに〜?
あ〜よかった、助かった」なんて言って
のこのこ着いてきたとも。



この時からともの方向音痴は健在だった。

いや、ともが方向音痴じゃなかったら
一緒に帰らなかったな。

ともが方向音痴じゃなかったら
付き合ってもなかったかもしれない。

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作者名:虹恋 | 作成日時:2020年7月1日 7時

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