彼は全盲のバンドマン【JW】《緑》 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:29,147 hit

2. ページ2

智洋side

A「とも～！！！！！！！」

横から聞こえた彼女の大声

智洋「そんな大きい声出さんくても聞こえるから笑」

A「えぇ～、そんな大声じゃなかったでしょ？」

智洋「いや、大声やった。」

A「もぉ～、それ
乙女に言うことじゃないからね！

ともの耳が良すぎるだけだから！！」

智洋「ふっ、、乙女って笑笑」

A「あっ、鼻で笑った。
ひどー、最低ー」

智洋「ごめんごめん、
で？今日はどこ行くん？」

A「あっ、この近くにね、
新しいカフェできたの。
なんか外装もオシャレで可愛い感じのとこ」

智洋「へぇ～、近くにカフェ
できてたなんて知らんかった。」

A「まぁ、誰かさんのせいで
ちょっと遠くなったけど」

智洋「ほんまごめんて」

俺の目は生まれた時から機能してへん。

生まれた時から1人、真っ暗の世界におった。

それでも、Aちゃんっていう彼女に出会えて、
大好きなバンドして。

幸せな生活を送ってる。

腫れ物に触るみたいに
気を使ってくれる人もいる中で、
Aちゃんは自然体でいてくれる。

そして俺ができないことだけを
さりげなく手伝ってくれる。

Aちゃんとおると俺も自然体でいられる。

A「ねぇ！とも！
早く！！置いてくよ！！」

智洋「あっ、ごめんごめん、待ってや」

ほら、今も、
「置いてくよ」とか言って笑ってるけど
歩幅は俺に合わせてゆっくり歩いてくれる。