れもん（桃） (ページ15)

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「ふんふふーん」

「覚えるの早いなぁ」

また別の日。

冷たい風が肌を触り、私は早くここから別のところに移りたいんやけど。

「やろ？俺天才やねん！」

「うざ」

望のギターはほぼ完璧に近く、私が教えることもなくなってきた。

「そういえばさ、なんでギターなん？」

曲を作ったときから疑問やったこと。

私に作曲を頼むなら、ピアノでもよかったはずなんに。

「知り合いに、ギター趣味でやってる奴がおってな。楽しそうやったから。

あ、あと、俺絶対ピアノは弾けへんから」

そう言ってまたギターを鳴らし始めた。

「どこかで披露でもするん？」

「いや、別にそういうわけやないけど」

熱心にギターを練習するのは、音楽が好きやからかもしれん。

実際に、私もそうやった。

特に小さな頃は、お兄ちゃんに褒められるのが嬉しくて、朝から晩までピアノを弾いていたものだから、上達は早かったんかもしれんな。

「完璧に演奏できるようになったら、この曲に歌詞をつけんねん！そしたら、1番にAに聴かせたる」

それは初耳や。

楽しみにしておこう。

望がふたたび弦に指をかけたとき、ヒューっと秋の冷たい風が横切った。

「そろそろ寒いな。今日は終わりにしようや」

「うん」

望に続いて立ち上がり、屋上の出入り口へ向かった。

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今回少なめです！ごめんなさい、、

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