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「のんちゃん、クリスマスツリーの電気つけてみよっか」






すっかり日は沈み、空には星がいくつか瞬いている。






大阪はホワイトクリスマスなんて夢のまた夢だね、なんて笑いながら電気のスイッチを入れた。





「わぁ、」





部屋の電気はまだついているのに、のんちゃんは小さな子供のように目をキラキラさせた。





「電気、消すよ?」


「おん」





パチ、と部屋の照明を消したら、ツリーはさらに輝きを増す。






その小さなツリーは、私の予想以上に綺麗だった。






「綺麗だね」


「綺麗やなぁ」






しばらく2人でツリーを見つめて、無事クリスマスを迎えられた幸せを噛み締めた。






「そうだ、プレゼント」



ハッと、思い出したプレゼントの存在。







カバンの中からそれを取り出し、のんちゃんに差し出した。




「はいこれ。メリークリスマス」




開けてええ?


またキラキラと輝いたのんちゃんの瞳に、コクリと頷いた。






「めっちゃ可愛ええな、これ」




大きなイチゴのキーホルダー。


私のバッグにもついてるんだ。





「私とのんちゃんが出会ったきっかけ、私のあだ名の由来だからさ」





満面の笑でおおきに!って言ったのんちゃんは、思い出したように引き出しから何かを取り出そうとした。






「ベリーちゃん。右手出して目閉じてや」






何されるのかは分からないけどのんちゃんの指示に従い目を閉じる。








直後、右手首に覚えた違和感。


その正体は…









「はい、目開けてええよ」






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作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年2月15日 23時

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