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「ん、ベリーちゃん…?」




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夢かと思った。




「の、のんちゃんっ!」




大きな瞳を私の方に向けて、あの甘い笑顔で笑った。





その笑顔に、胸がトクンとなった気がした。





「先生呼ばな…」





ナースコールに手を伸ばすのんちゃんを止めて、私が代わりに押した。





看護師さんが来るまでの間、のんちゃんと久し振りにゆっくり話した。





でも、そんな幸せな時間はすぐに過ぎてしまい、部屋に沢山の人が入ってきて私は追い出されてしまった。





外はもう暗くなっているけど、今日のうちにもう一度のんちゃんと話したかったから、いちごミルクをふたつ買って待っていた。






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部屋から先生やら看護師やらが出てきて、のんちゃんの部屋に入ろうと扉をノックした。





「のんちゃん、私」





「どうぞ」って返事が来ると思って、扉の取っ手に手をかけた時だった。






「ベリーちゃん。今日は帰って」






初めてだった。


のんちゃんに、会うのを拒まれたのは。




「のんちゃん…?」




「やから、帰ってって」





「でも」、そう言おうとした時、






「帰れって!迷惑やねんっ!」







いつものあの甘い声とはかけ離れた、低く怒りに満ちた声で、正直怖かった。





迷惑、か。


そうだよね。毎日毎日会いに来るなんて、鬱陶しいよね。







ごめんね、のんちゃん。


もう、来るのはやめるよ。





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また私の居場所が一つ減った。


そんなショックと結局何もできなかったわたしの弱さに、音もなく涙が溢れた。





もう何もかも、どうすればいいのかわかんないや。






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作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年2月15日 23時

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