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大毅と他愛ない話をしながら日に照らされる道を歩いた。
頬に当たる風は、もうすぐ冬になる事を告げているように冷たい。
ふと、大毅はさっきより声のトーンを落として話し出した。
その顔は、考え込んだような、悩んでいるような、そんな顔。
「なぁ、俺の恋ばな、気になる？」
話し始めたのは、お昼休みの話のこと。
まあ、そりゃ、ねぇ。
「気になる。大毅に好きな人がいるなら、幼馴染として応援したいもん！」
大毅は少し間をおいて、「そっか」と呟いた。
いつになく考え込む大毅。
何を悩んでいるのかはわからないけど、力になってあげたかった。
「俺、好きな人がおんねん」
言うか迷ったんやけど、って言葉をつなげる。
「いつも俺のそばで、ずっと笑顔でいてくれんねん。でもときどき、壊れてまうんやないやろうかってほど無理して笑っとる時もある」
大毅が歩くスピードを落としたから、私もそのスピードに合わせて大毅の言葉を拾っていく。
「けど、どんだけ想ったって、彼女は俺の方を向いてくれへんねん」
「その人には、好きな人がいるの？」
「おん。その相手、めちゃくちゃイケメンやし、面白くて優しいねん。どこも勝ち目ないわ」
自虐するように笑った大毅に、少し胸が痛くなった。
“叶わない恋”、大毅がしているのは、そんな恋なんだ。
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＿＿“なぁ、こっち向いてや”
そう言った大毅に、私は自然に足を止めて、大毅の目を真っ直ぐに見つめた。
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「なに、大毅？」
数秒目があって、聞こえたのはため息。
それから、大毅は聞こえるか聞こえないかくらいの声で「あほ」って呟いた。
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
