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「楽しかったぁー!」




いちごミルクを飲みながらそう言ったのんちゃん。





「うん、私も!」





びっくりするくらい時間が経つのが早かった。



のんちゃんの体温を感じること、一緒に笑いあった空間、

全てが幸せで、時間が止まってしまえばいいのに、なんて思ったりもした。






「おくってやれんくてごめんな」

「いいの!むしろ私が拒否するよ」




もしも一人で帰っている途中に倒れたりしたら…なんて考えたら、怖くて怖くて仕方がないから、

のんちゃんを一人で帰らせるなんて、できない。





「あぁ、病院もうすぐやん…」



もうちょい遠くにあればよかったんに、とのんちゃんは少し寂しそう。




それは私も一緒だよ、って繋がれた手にぎゅっと力を込めた。





そして、のんちゃんはふふって笑いながら握り返してくれる。





けど、今日一日繋がれていた手も、病院の前に着いてしまったことで、惜しまれながらに離された。





もうちょっと、その温もりを感じていたかったな、なんて言ったら帰れなくなってしまいそうで、グッと言葉を飲み込んだ。




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「また、明日な」

「うん、また明日」




気をつけて帰るんやで!見えなくなるまで見とったるな!なんて、心配しすぎ笑。




のんちゃんに手を振って、歩きだした。






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その、直後だった。




バサッと何か音がして、振り向いたんだ。




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そこには、倒れてぐったりとしたのんちゃんがいた。




頭が真っ白になって、どうしたらいいかわからなくて、




「の、んちゃん?のんちゃんっ!」




ひたすら名前を呼んで、涙を流した。




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でも、のんちゃんは、ピクリとも反応しなくて、倒れたまま動かなくて、






「どうしたんですかっ!?」


看護師さんの声すら聞こえずに、ただのんちゃんの名前を叫び、泣いた。





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のんちゃん、急に倒れないでよ!



このまま死んじゃうなんて、嫌だよ!



ねぇのんちゃん、生きて。



また私に、いちごミルク飲もうって笑って。






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作者名:えぇふぇす | 作成日時:2018年2月15日 23時

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