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突然のことすぎて、何が起こったか理解ができなかった。
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「ん、」
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大きな音を立てる心臓。
のんちゃんに、聴こえているんじゃないかってほど、この空間は静かで。
そして、ゆっくり、のんちゃんは体を離した。
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「い、嫌、やった…？」
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触れていた部分が熱くなって、状況をやっと理解した。
「嫌、じゃない、けど…」
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なんで急に“キス”なんてしたの？
その言葉は、喉につっかえて出てこなかった。
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まだ感覚の残る、唇。
はじめての感覚だった。
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観覧車の中に、気まずい雰囲気が漂う。
口も聞かなければ、目も合わせない。
そしてそのまま、ピンクの観覧車は地上に戻ってきた。
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のんちゃんは、観覧車を降りてすぐに歩きだした。
気まずい雰囲気でも、離さなかった手と手。
その手に引かれて私も歩いていく。
のんちゃんが足を止めたのは、自動販売機の前だった。
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「はい、これ」
渡されたのは、いつものピンクのパッケージ。
「一緒に飲もうや」
ふわっと笑ったのんちゃんに、気まずい雰囲気が溶けてなくなっていくのを感じた。
「うん」
気がついたら、お互いに笑ってて、さっきまでの空気は忘れていた。
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やっぱりのんちゃんってすごい。
のんちゃんは、私を笑顔にする魔法を持っている。
そんな風にさえ、思えてしまうんだ。
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
