泣かないで、笑って？（桃） (ページ46)

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「おはよう、大毅」

「おはよっ！A！」

2月14日。バレンタインデー。

大毅はうちの前までお迎えに来てくれた。

チョコが欲しいのバレバレだけどね笑。

「はい。いつもありがとう、大毅」

「今年はクッキーなんや！おおきにな、A！」

だいきゃんスマイル、とやらを私に見せて、そのまま一緒に登校した。

けど校門まで来れば、大毅は学校の人気者。

女子が学校中から大毅の元へ集まり、私は跳ね飛ばされてしまうのが恒例行事だ。

今年はいくつもらうのかな。

大毅は甘いものはそこまで好きじゃないから、毎年私が消費の手伝いをする。

今年もまた、過去最高記録を更新するかも。

考えただけで気持ち悪くなった。

私だって、そんなにチョコ食べられないもん。

呑気にそんな事を考えて、教室へ向かった。

放課後が楽しみ。

のんちゃんは、私のクッキー美味しいって言ってくれるかな？

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頭の中は一日中放課後が楽しみって事だけだった。

その放課後が最悪なものになるなんてこと、1ミリも知らずに。

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