最強少女。隣合わせの不一致【刀剣乱舞】 (ページ11)

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9話※ ページ11

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ため息の音に彼の肩がビクリと揺れた。

なによ、私が悪いみたいじゃない。
私はまだ何もしてないのだけど。

『...17。審神者名は鏡』

驚いたような視線をこちらへ向けられた。

『なに、貴方が聞いたのよ。』

「っ！そ、そっか！...えっと、僕は燭台切光忠だよ」

『知ってる。資料を読んだから』

そっか、とまた小さく微笑んで前を向いた。
すると直ぐに目的の場所に着いたらしい。

「ここが審神者部屋だよ」

『そう』

襖に手をかける。これだけで分かる、相当黒く歪んだ空気が溢れ出そうとしてる。

ｽｩ､と開いてみると一気にツン、と鼻を刺激する男の特有の香りが全身を纏った。

『っっう゛...』

思わず口と鼻を抑える。
臭い...汚い。

思わず身体がよろめくと誰かが背中越しに支えてくれた。

振り向くとそこにいるのは当然燭台切光忠で、慌てて離れる。

「大丈夫かい？...人の子...いや、女の子には少しキツイよね」

『...』

慣れたように淡々と此方ばかりを心配する相手にため息がこぼれる。

じっと見つめていればどうしたの？と目を細めるものだから自然と額に皺が浮かぶ

『何故、私の心配をしているの
貴方は人間が憎いのでしょ？それなら普通さっきみたいに話し掛けたりもしないはず。』

「......んん、なんだろう。
君は、なんか違うと思って。実際僕はそこまで何かをされた、とかじゃなかったからね」

されてたとしても出軍くらい、と小さく呟いた。

彼の瞳が叫ぶ。
自分は何も出来なかった...と。
仲間を守ることが出来なかったと。

そんな自分が一番憎い────と。