全方位から狙われています。【名探偵コナン】２

白とダイヤモンド４ ページ36

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新一くんに抱きしめられてるみたいで違和感。というか恥ずかしい。顔赤くしないでよ、バカ。潜入捜査でこういうことには耐性があると思っていたはずなのに、身体の熱というものは伝染するらしくこちらまで赤くなってきた。全部怪盗キッドのせいだ。いい歳した大人が怪盗なんかに……

「怪盗キッド！」

頭のぐちゃぐちゃを掻き消すように、コナンくんが駆けつけてくれた。ああ、救世主。まさに天使である。

「坊主が来ちまったようだな。では、またお会いできる日を楽しみにしております、Aさん。」
「へっ、」

するりと私の元から離れたかと思えば、チュ、とわざとらしくリップ音を立てられる。ちゃんと手の甲ではなく自分の親指にキスをしているところが紳士すぎて腹立つ。
ハングライダーで逃げようとする怪盗キッドの足が地面から離れる前に腕を掴んだ。

「今日のところは見逃してあげる。次は私から怪盗キッド会いに行ってその仮面、外すから。」
「それは面白そうですね。次会う時には、"怪盗キッド"というのはやめて、"キッド"と気軽に呼んでほしいものです。」

腕を離すと、怪盗キッドは宙を待った。先ほど下で叫んでた刑事がまた「キッド〜〜！！」と大声を上げるのが聞こえる。あの調子じゃ一向に捕まらないと思うけど。こうなりゃいっそ、公安の手柄にしてやろうか。


「おい！A、聞いてんのか！？」
「……えっ、ごめん聞いてなかった。どうしたのコナンく」
「キッドに何もされなかったのかよ。……その、さっき抱きしめられてたけど。」
「それ以外何もされてないよ。子供のコナンくんにはちょっと刺激が強かったかな？」
「ばっ……やめろ！」

ぎゅーっとコナンくんに抱きつく。めちゃくちゃ可愛い。新一くんには悪いけど、コナンくんと添い寝してみたい。きっと良い睡眠がとれるだろうな。

「バーロー！ハグぐらいで動揺しねえよ！」
「そうなの？最近の高校生はませてるなぁ。」
「そういう意味じゃなくて……」
「あ！聞きたいことがあったの、キッドの素顔見たことある？」
「ああ、俺に似てただろ？あれが素顔。そんでもって、俺と同じ高校生。」





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