米花町でバイト探し4 ページ4
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「ようこそ、喫茶ポアロへ。」
そう言い、エプロンを身に纏った梓さんは私をお店へ招き入れてくれた。
先程、助けた女性は榎本梓さんという。
ポアロへ来る道中にお互い自己紹介を済ませ、少しだけ仲良くなった
カウンターの席に案内してもらい、コーヒーを出してもらう。
「改めて、助けて頂き本当に有難うございました……!」
「こちらこそ、コーヒーご馳走してくださって有難うございます。」
コーヒーを一口飲む。
……美味しい。
普段、自販機のブラックコーヒー……それも眠気覚まし用に飲むコーヒーとは全然違って、まろやかでコクがある。
家から近いし、これから通っちゃおうかな。
「今日は何をするご予定だったんですか?」
「バイト先を探そうかと……」
「そうなんですか。良さそうなバイトは見つかりましたか?」
「んーー……条件は基本的に無いのですが、出来るだけ家の近くが良くて」
「立地は大事ですよね。」
「この近くに住んでいるのですが、梓さん、良いバイト先知ってませんか?」
んーーと唸りながら、真剣に考えてくれる梓さん。
この喫茶店に来る道中、”安室さん”という方から心配の電話も貰っていたし、初対面の頃からそう思っていたが、梓さんは親切で礼儀正しい良い人だという事は容易に分かった。
それから数十秒経って、梓さんは「あ!」と短く声をあげた。
「……Aさん、ポアロはどうですか?」
「え?」
ポアロってたしかこの喫茶店の名前……
「女子高生の応募が殺到してしまうので、貼り紙はしていないのですが、ひと不足ですしAさんなら大歓迎ですよ!」
続けて「店長も喜ぶと思います。」と付け足す梓さん。
ポアロは立地条件は完璧だし、私には申し分ないバイト先である。
お洒落で雰囲気が良いし女子高生から、人気なのも頷ける。
バイトを雇うなら、24のババアより若いJKの方が良いのではないか……?
でも、働けるのならばここで働きたい。
「こんな私で良ければ……ここで働かせてもらいたいです……。」
「本当ですかっ!?店長に話しておきますね!Aさんが入ってくれたら私、嬉しいです〜〜」
梓さんは良い人だし、店内の雰囲気はとても好きだし、もしここで働けることになったら二か月もの間、有意義に過ごせるだろうなぁ。
……しかし、後にAはこの決断を後悔することになる。
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蓮生 - 面白いです! (2020年5月6日 17時) (レス) id: 7a1e1b26c0 (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やば…降谷さん可愛すぎる… (2019年12月2日 12時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 壟薇さん» ありがとうございます。更新頑張ります!原作開始時で、24歳の設定になります。 (2019年11月20日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください!質問ですが夢主ちゃんは何歳なのでしょうか? (2019年10月28日 21時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» ありがとうございます。自分の趣味を詰め込んだ作品でもあるので、私得と思ってもらえて嬉しいです……!更新頑張ります! (2019年7月9日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年10月6日 19時