全方位から狙われています。【名探偵コナン】２

社畜ライフ再開３ ページ28

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「おはようございます……お久しぶりです。」

朝、降谷さんと共に出社した。カタカタというパソコンのタイピング音が鳴り響く中、以前のように挨拶をすると作業している皆の手が一斉に止まり、私を見て固まった。
あれ、どうしました？

「Aが帰ってきた！」
「うわ、生きてる。足ある。本物だ。」
「勝手に殺さないで下さい。」

どうやら、私が生きて帰ってきたことに驚いているようだった。失礼だな！たしかにテロ現場に遭遇したけれど、公安でもっと危険な仕事してるし。黒の組織とお酒を飲んでしまったけれど、何もされていないし？きっと大丈夫。
職場復帰を伝えるべく、先に偉い人のところに行ってからここに来たので時刻は昼前。
「Aも帰ってきたことだし、」という風見さんの言葉で少し早めの休憩となった。

買ってきたお土産をそれぞれに渡し、先輩たちに頭をわしゃわしゃと撫でられご機嫌だったところ、降谷さんが資料の山を持ってきた。

「言っておくが、Aは公安の仕事を３週間放棄した。帰国したのは３週間前だったよな？A。」
「は、はい……」
「喋ってる暇あるなら、これ全部やりきれ。FBIで腕が落ちてないか心配だな。」

資料の山を手渡され、降谷さんの口角がにやりと上がる。視界の隅で先輩たちの肩が震えているのが見えた。相当酷い笑みのようだった。
泣く泣くパソコンの前に座り、資料を見てみるとそれはもう面倒くさいもので今日は徹夜しなければならないと悟った。
やらなければ終わらないと意を決してタイピングを始める。何も考えずに資料と向き合う。数時間経ったところ、ぴとっと頰に冷たいものが押し当てられ驚いて後ろに退いた。

「やるよ。相変わらず、すげえ集中力。」
「驚かせないで下さいよ！でも嬉しいです。ありがとうございます。」

先輩の１人が缶のオレンジジュースを買ってきてくれた。入社して以来、私が泣きながら作業をしていると、決まってオレンジジュースを買ってくれる優しい先輩である。
……何でオレンジジュースなのかは未だにわかっていない。

「終わりそう？」
「……んーー、何とか。」
「つーか、３週間も公安サボったのほんと面白れえわ。よく出来たな。」
「降谷さんに見つからなければ、もう少しサボるつもりでしたよ……。」





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