検索窓
今日:6 hit、昨日:247 hit、合計:997,893 hit

いなくなるかと思った1 ページ19







約11ヶ月ぶりの我が部屋のドアの前に立っていた。私のいない間は、降谷さんや松田さんたちが定期的に掃除をしてくれているらしいので、煤まみれになっているなんてことはないと思うが、心配なのはやはり降谷さんである。

どうか、怒っていませんように。心の中で必死にそう願いながら、ドアを開けると部屋は真っ暗だった。というか、人の気配すらない。あれ、なんで。降谷さんは約束を破らない人だ。絶対いるはずだと思ったのに、何か急用でも入ったのだろうか。用事が入ったのなら、連絡が入っているはずだけど。

仕方がなく、電気をつけて部屋の中に入った。待っていれば来るだろうと、とりあえずリビングに行く。約束通り、部屋の掃除はされていたようで、職場復帰したらお礼しに行こう。

リビングに荷物を置こうとしたとき、何かが足に当たった。驚いて振り向くと、壁にもたれかかりながら目を瞑ったままの降谷さんがいた。いつもはソファで寝ているはずなのに。床で寝たら腰が死ぬだろうし、風邪を引いてしまうから起こそうと思い肩を揺らす。

「降谷さんっ……起きてください!」

薄っすら目を開けると、何かを探すように虚ろな目で私を捉えた。
次の瞬間、ぐいっと肩の上からに手を回されて抱き寄せられる。え、何これ。状況が掴めないでいるとさらに強く抱きしめられた。痛い痛い痛い。行き場のない腕をパタパタされていると耳元に少しだけ息がかかった。

「……A?」

消え入りそうな降谷さんの声に何も言えなくなってしまう。私がいない間に仕事でミスでもしたのか。降谷さんに限ってそれはないか。こんなに弱った降谷さんを見たのは久しぶりのことで、どうすればいいのか分からない。
とりあえず、行き場の困った腕で降谷さんの背中を軽くさすることにした。

「Aですよ。……どうしたんですか?」

出来るだけ優しい声色で話すと安心出したのか、降谷さんは私の首筋に顔を埋めて、ぐりぐりしてきた。くすぐったい。何だか子供みたいだなと思っていたのも束の間、降谷さんは怒ったような声で話した。

「……何で、時間通り帰ってこなかった。」
「えっと、コナンくんとの話が長引いてしまって、」
「Aは俺との約束よりコナンくんを優先させるんだな。」
「今日はたまたまっ……本当にすみません。」





いなくなるかと思った2→←話したいこと5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (883 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2939人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 逆ハー , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

蓮生 - 面白いです! (2020年5月6日 17時) (レス) id: 7a1e1b26c0 (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やば…降谷さん可愛すぎる… (2019年12月2日 12時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 壟薇さん» ありがとうございます。更新頑張ります!原作開始時で、24歳の設定になります。 (2019年11月20日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください!質問ですが夢主ちゃんは何歳なのでしょうか? (2019年10月28日 21時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» ありがとうございます。自分の趣味を詰め込んだ作品でもあるので、私得と思ってもらえて嬉しいです……!更新頑張ります! (2019年7月9日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e  
作成日時:2018年10月6日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。