会いたくないランキング6 ページ13
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「僕と付き合ってくれませんか。」
黄色い悲鳴がポアロの客席から沸き立つ。ああ、女子高生客が増えたのか。Aのことしか考えてなかったから、気が付かなかった。梓さんには悪い事をしたな。
「申し訳ないですが、お断りさせていただ、」
「そうでした。僕としたことがすっかり早とちりしてしまいました、まずはお友達からですよね。」
返事は予想通りであったが、部下に振られる上司というのはあまり好みでは無いので無理やり遮ってやった。
「あの、そういう意味では、」
「何か言いました?早く、仕事に戻りましょう。」
本人の頭が回っていないうちに指示をした甲斐あってか、Aは帰るのをやめ、仕事に戻ることに決めたようだ。わりと従順だな。
覚束ない足取りでこちらに来た。ぼーっとしたままで面白いので、エプロンをAに着せてあげる。
後ろの紐をくくる時に、距離感をどうしようかと頭の中で考えたが、職業柄慣れているだろうと思い、わざと近い距離でくくってやった。
それからは、19時に家に帰るよう降谷の俺がAに伝えた。Aはちゃんと家に帰ってくるのだろうか。俺がその気になれば、Aが何処に逃げようと簡単に捕まえられるが、気持ちは大事である。何で仕事に戻っていないのかも聞いていない。
ふと時計を見ると、18時半過ぎ。そろそろ支度して帰らないと19時に着かないな。
エプロンを脱ぎ、荷物を持って、ポアロの鍵を閉めた。Aに会ったら、まず何から話そうか。その前にまずは、説教しないとだな。
色々と考え事をしながら歩いていると、Aの家に着いた。Aの家はマンションで、オーナーはAのお父さんである。セキュリティは完璧で、合鍵を男の俺に渡すレベルに危機管理能力が低いAにはピッタリだと思う。
部屋の鍵を開けて、久しぶりに入ったAの部屋に不思議と懐かしい気持ちになった。俺には似合わないが、早く帰って来てほしいと思ってしまう。
しかし、30分経っても1時間経ってもAが家に帰ってくることはなかった。
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蓮生 - 面白いです! (2020年5月6日 17時) (レス) id: 7a1e1b26c0 (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やば…降谷さん可愛すぎる… (2019年12月2日 12時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 壟薇さん» ありがとうございます。更新頑張ります!原作開始時で、24歳の設定になります。 (2019年11月20日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください!質問ですが夢主ちゃんは何歳なのでしょうか? (2019年10月28日 21時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» ありがとうございます。自分の趣味を詰め込んだ作品でもあるので、私得と思ってもらえて嬉しいです……!更新頑張ります! (2019年7月9日 0時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年10月6日 19時