全方位から狙われています。【名探偵コナン】

初仕事２ ページ31

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降谷さんはトカレフを使ってるらしいけど。
そんなことはどうでもいいんだ。
私は、とりあえずアメリカ滞在中に絶対、銃を買いに行きたい！

「構えてみろ。」

脳内で銃を購入している妄想を繰り広げているところを遮って、渡されたのはゴツめのスナイパーライフル。
急な重さに危うく銃を落としそうになる。
言われるがままに構えてみると、結構しっくり来た。
……良いかもしれない。

「どうだ？」
「結構、好きです。この銃。」
「そうか。じゃあ今日はその銃と一応、ハンドガンを持っておけ。あとは防弾チョッキだな……」

赤井さんは前回の空港テロ事件のときも、たしか今と同じ普段着でしたが、私には重装備させるんですね。
というか、毎日同じ服のような気が……。
ガサゴソと部屋を物色してくれている赤井さんに水を差すようなことは言えなくて、とりあえず先程渡された銃を見ているフリをした。
無くて困るもんじゃないし。
むしろ、何かあった時に守ってくれるものだし。
貰えるものは貰っておこう精神。

アメリカサイズに対応していない私の体には少し大きめの防弾チョッキを受け取った。
今回の任務の内容を再度確認するなどFBI本部でやるべきことを色々済ませて、昼食を取ったのが午後２時過ぎ。
そこから赤井さんの車に乗って、待機場所の廃ビルへと向かう。
近くの駐車場に車を留め、そこからは徒歩。

銃の所有が許可されているアメリカとはいえ、でかいライフルを担いでいる二人組が街中を歩いていると目立つ。
特に赤井さん。
背負っている物が銃ではなく、ギターだったらどこからどう見てもモデルにしか見えない。
あまり注目を浴びるのもアレなので、そそくさに廃ビルに駆け込んで、屋上へと続く階段を登る。

「結構、不気味ですね。」
「ゴーストが出るって、ここらへんじゃ有名な噂だな。」
「えっ。そうなんですか。」

この廃ビルお化け出るの？
遺体は何度も見てきた私だが、心霊現象などそっちの方面にはめっぽう弱かった。
不覚にも後ろから聞こえる赤井さんの足音が、不気味に聞こえて仕方がない。






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