全方位から狙われています。【名探偵コナン】

あの日の真実４ ページ29

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「質問がないなら帰るぞ。明日は早朝から仕事がある。」
「あ、待ってください！」

もう忘れてしまっているかもしれないが、私はアメリカに来た初日の車の中で赤井さんに一つ質問をしていたのだ。
赤井さんの手の内を大体知った以上、答えてもらう絶好の機会はまさに今なのではないだろうか。

「どうして、私をFBIに入れたんですか？」
「くくっ……まだ覚えていたのか。」
「当たり前ですよ！結構、大事な事ですから！」

ケラケラと笑ったかと思えば、考える素振りを見せた赤井さん。
まさか、考えていなかったとか言わないよね？
何か理由があって、私を入れたんだよね？
不安になりつつも、私が今暴れたところでどうしようもないので赤井さんの次の言葉を待つ。

「ターゲットの男を狙っていた筈なのに、咄嗟に出てきてスコープ越しに笑ったお前が気になってな。４年間ものあいだ、調べに調べつくしてようやく辿りついた。公安側に聞かれた時、迷わず指名した。七瀬Aが欲しいと。」

赤井さん曰く、あの至近距離でターゲットを撃てなかったのは初めての体験だったらしい。
自分で言うのもなんだが、私は反射神経に自信がある方だ。
口より手が先に出るタイプ。危険だからって、よく注意されるんだけど。

急に決まったと思っていた”一年間FBI入り”に正当な理由があって何よりだ。
その決定打に私が笑ったからだなんて理由、恥ずかしくてもう聞きたくないけど。





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