あの日の真実3 ページ28
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「昨年、組織にノックだとバレて追い詰められたスコッチは、情報が入った携帯ごと心臓を撃ちぬいて自 殺した。俺は止めたが、結果的にただ見ているだけになってしまった。」
「止めたのに、亡くなったんですか。他に方法は……」
「他に方法は無かったのか。」と私が尋ねる前に赤井さんは話を続けた。
「引き金はバーボンというスコッチと仲の良かった男が引いてしまったよ。屋上に向かってくる足音がスコッチを狙っている組織のものだと思い、スコッチは慌てて引き金を引いた。皮肉にも、その足音はバーボンのものだった。」
バーボン。
スコッチと仲が良かったという事から察するに、降谷さんのコードネームだと思う。
降谷さんが黒の組織に潜入調査をしていることは知っていたが、それ以上の事は何も知らなかった。
仮にそうだとして、何故赤井さんはバーボンが引き金を引いたことを本人に言わなかったのだろう。
「バーボンはその真相を知ってるんですか。」
「……友人を自 殺させた張本人が自分だと知れば、二度と立ち直れなくなるだろう。」
赤井さんが口にしたのは曖昧に濁した言葉だったが、言っていることは大体、分かった。
降谷さんの心に傷を負わせないために赤井さんはわざと濡れ衣を着たのだ。
赤井さんの性格からしてにわかに信じがたいことだが、そういうことなら、降谷さんが赤井さんを憎んでいる理由も、”殺した”ではなく”助けなかった”と言った降谷さんの言葉にも納得がいく。
本当の赤井さんは優しい人なのだ。
自分が傷つくことなどお構いなしで、他人には傷ついてほしくないと願う、そんな人なのだ。
「彼を、助けたんですね。」
「……さあな。俺にもよく分からない。」
そして、照れ屋という訳か。
さっきは、誤解を解いてあげたいだなんて軽々しく思っていたけど、予想の斜め上の真実にこれは一筋縄ではいかないと悟る。
……参ったな。
これじゃ、赤井さんと降谷さんのどっちも憎めない。
板挟み状態の私はこれからどうすればいいものか。
うーん、と一人で悶々と悩んでいると、急に無言になった私に痺れを切らした赤井さんが立ち上がった。
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一(プロフ) - 坂竹会長さん» 七瀬ちゃんに質問ありがとうございます!キャラ設定載せるときに回答させてもらいますね!更新ガンバリます!! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございます!直させていただきました! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - salomeさん» 降谷さん視点了解です!多分、番外編になると思いますが書かせて頂きます!ゼロの日常は全話は少し難しいかもしれませんが、いくつか書きますね!私もハロ大好きです!リクエストありがとうございます! (2018年10月6日 19時) (レス) id: cd2af638b2 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 七瀬ちゃんに質問です。 貴方は犬派?猫派?甘党?辛党?普通?です。 更新頑張ってください。ベルモット姉さんンンンンン”””””((殴り 失礼しました(笑) (2018年10月6日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ5名前変換なってないのではないのでしょうか?間違っていたらすみません。 失礼しました (2018年10月6日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年9月16日 17時